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ユニチカとセーレン ポリエステル事業など譲渡で合意

2025年06月23日 (月曜日)

 ユニチカとセーレンは、ユニチカの岡崎事業所(愛知県岡崎市)と子会社である日本エステルの事業譲渡について基本合意に達した。両拠点のポリエステル繊維関連事業・重合事業やスパンボンド不織布(SB)事業などを承継する新設分割会社をユニチカが設立し、新会社の株式をセーレンが取得して子会社化する。年内の手続き完了を目指す。

 譲渡事業は「日本エステルのポリエステル重合事業」「ユニチカトレーディング(子会社含む)の事業を除いた日本エステルのフィラメント事業(衣料繊維事業)」「ユニチカのSB事業」「ユニチカと日本エステルのステープルファイバー事業、ユニチカのポリエステル高強力糸(ETY)事業、ユニチカのETY事業および合繊紡事業に関する外部委託加工事業」。

 ユニチカが新設分割会社を設立し、譲渡対象となる事業を会社分割で承継した上で、新会社の株式をセーレンに譲渡する。具体的な手法や手続きは今後詰める。7月末までに対象事業や最終契約の条件について協議し、8月初めに最終契約を締結する予定。

 ユニチカは、昨年11月に地域経済活性化支援機構による事業再生計画を公表した。その中で、衣料繊維と不織布、一部を除く産業繊維からの撤退を明らかにし、現在は同機構の支援の下で立て直しを進めている。

 セーレンは、2005年にカネボウ(現クラシエ)の繊維事業を譲受し、KBセーレンとして事業を継承・再建した実績を持つ。新会社の概要については確定次第開示するとし、業績への影響は軽微の見込みとしている。