伊藤忠/買収防止とアジア展開
2006年03月23日 (木曜日)
伊藤忠商事は主力ブランドの一つで、約40%出資する英国の「ポールスミス」に対して、今後はアジア展開など世界戦略でパートナーとして積極的に協力していく。
同社は昨年12月に、同ブランドの持ち株会社ポールスミスホールディングスに出資し、ポール・スミス会長の家族らが所有する約40%の株式を取得した。
同ブランドを担当するブランドマーケティング第一部門ブランドマーケティング第二部の大津寄正登部長は、「弊社のブランドのなかでもポートフォリオで1、2を争う有力ブランド、セキュリティーの意味も含めて関係をより強固にした」と今回の出資の狙いを説明する。ポールスミスはオンワード樫山が婦人服、事業会社のジョイックスコーポレーションが紳士服を展開する。紳士服は今期、毎月2ケタ%増を記録するなど売り上げも好調に推移している。
ヘッジファンドがファッションブランドにまで触手を伸ばす昨今のM&A(企業の合併・買収)全盛のなか、防衛的な意味も含めてライセンス契約を超えたパートナーとしての関係を結んだ。
同社は日本市場で従来以上にポールスミスブランドの価値を高めるとともに、大株主のパートナーとしてアジア市場や米国市場に向けた戦略にも「今後は前向きに関わっていく」(大津寄部長)と積極的に協力し、より幅広いビジネス展開を目指す。