我が社が誇る自慢の機能素材・加工
2006年02月28日 (火曜日)
セーレン「プリモーディアル」/一貫生産のシームレス製品
「プリモーディアル」は柄のプログラミング、糸、編み立て、染色、裁断、縫製までセーレンの国内工場で一貫生産する世界に類のない新しいビジネスモデルから作られたシームレス製品。
ストレッチ機能商品はトリコット素材本来の適度なフィット感、着心地の良さが得られるほか、編み組織によるパワーの切り換え(生地強度)が可能。編み地特性である生地ほつれに対する耐久性に優れているなどの特徴がある。
また、CADシステムによる繊細で意匠性の高い柄表現が可能で、自由度の高い意匠表現を企画、開発しオンリーワン商品が可能となる。主にハイファッションアイテム、ファッションインナー、スポーツアンダーに展開する。
大和化学工業「プレサーモシリーズ」/快適温度保持剤
「プレサーモシリーズ」は、蓄熱剤である高級脂肪族炭化水素を芯物質としたマイクロカプセル剤。高級脂肪族炭化水素は周囲の熱変化によって吸熱と放熱を繰り返して温度制御する機能を持っている。
繊維に加工した場合、その表面温度が一定に保たれやすくなり、人にとって快適である温度領域を維持させることが可能になる。冬は15℃、夏は31℃、春秋は25℃用が、それぞれ快適な温度を保つ。
〔効果試験〕
室温20℃の部屋でプレサーモC-25加工布と未加工生地を左右に置き、40℃の温水を入れたステンレスビーカーを試料の上に設置する。温度が一定した後、ビーカーを取り去り試料の温度変化をサーモグラフにて測定する。加工布は、未加工布に比べ熱を保持する効果が確認できる。室温35℃、水温15℃のステンレスビーカーに条件を変えることで、蓄冷効果も測定可能。
生地温度の変化をグラフ化したものを図に示す。それぞれ加工布が温度保持効果を発揮している様子が確認でき、快適温度保持の効果が期待できる。
東邦テキスタイル「ソリストサーモ」/発熱・保温のあったか繊維
「ソリストサーモ」はマイクロアクリル「ソリスト」と長方形断面レーヨン「バイロフト」を組み合わせたもの。優れた吸湿発熱性と保温効果が特徴で「あったか繊維」として打ち出している。
温度を調節するモイスチャーコントロール機能があるため(1)衣服内の温度を適度にコントロールし、いつも快適(2)毛細管現象の効果で乾きが早く、肌にさわやか(3)ボリューム感と優れた保温性が持続する――などの特徴を持つ。
また、マイクロアクリル「ソリスト」はソフトで肌に優しいパウダータッチを実現する。
同社試験によると、20℃×90%RH温度変化はアクリル100%使いに比べ3時間後6℃、20時間後で2℃高い。
ダイワボウ「アレルキャッチャー」/アレルゲンを吸着・分解
「アレルキャッチャー」は花粉のアレルゲン物質自体を吸着・分解する機能を持つ。抗菌防臭・消臭などの機能も合わせ持つ。信州大学繊維学部と共同で開発し、国際特許も申請中である。
同素材は繊維にフタロシアニン化合物を化学的に結合させた構造になっている。フタロシニアンがアレルゲンたんぱく質を補足し、周囲の酸素を利用してその高分子の鎖を切断。その分子構造を変えてアレルゲンとしての特性を失うという仕組みになっている。繊維1グラムで約600万個の花粉アレルゲンを分解する能力があるという。エアコン内部や空気清浄機などで使うフィルター素材といった用途での採用が進んでいる。
花粉だけでなく家屋内に浮遊するダニアレルゲンについても吸着・分解能力を持つ。繊維1グラムで約10万匹分のダニアレルゲンを吸着・分解する能力を確認した。この機能は寝装やインテリアなどの用途で好評を得ている。
トスコ「風麻」/麻の防シワ・イージーケア加工
「風麻」は麻の防シワ・イージーケア加工。ラミーは天然繊維のなかで、最もシャリ感のある涼感素材。水分の吸収・発散性に優れ、強力もある。このため、夏素材として活用されてきたが、麻製品はシワになりやすく、寸法変化が大きいため、商業洗濯に頼っていた。この問題を解決した。
特殊加工により、優れた防シワ性、W&W性、寸法安定性を保持する。また、ホルマリンを一切含有していないため、安全性にも優れたホルマリンフリー(ゼロホルマリン)加工である。
優れた防シワ性で、折り目回復率は25~50%。W&W性は3~4級で、洗濯耐久性にも優れる。従来のLA加工品と比較し、同等あるいはそれ以上の防シワ性が得られる。
独自の形態安定用加工剤の使用や各種ソフト加工との組み合わせにより、幅広い風合い出しもできる。ラミー60単、リネン40単中心に展開する。
ダイワボウレーヨン「パラモス」/カルボキシル基で調湿性持たす
「パラモス」はカルボキシル基を練り込んだ機能レーヨン。(1)調湿機能(2)PHコントロール(弱酸性)(3)抗菌性―などの機能が特徴で、1月からインナー、不織布などの用途で展開している。価格はレギュラーレーヨンの約3倍。わた売りで月10~20トンの販売を計画している。
カルボキシル基はアルカリ性であるため、ビスコースに練り込むと凝固する問題があったが、補助剤の工夫などにより問題を解決した。量産体制も確立している。
同社によれば30%前後の混率で効果が期待できるという。染色などについても「問題ない」としている。
ダイワボウレーヨンは今後もこういった差別化素材の開発に注力する方向にある。主力の不織布だけでなく衣料用途での開発にも注力する。
東レ「タップガードNT」/ナノでSG、SR性を実現
「タップガードNT」はナノ技術によってSG性(汚れにくさ)とSR性(汚れの落ちやすさ)の両面を高い水準で実現した防汚・撥水・撥油素材。ユニフォームやスポーツなどの用途に向けて06年春から販売を開始した。
タップガードNTはSG性、SR性の両方について、初めて家庭洗濯50回後の3級以上を実現。汚れに対する撥水性と撥油性を高める「撥水・撥油バランス制御技術」によって、従来よりも高いSG性を実現。洗濯時には親水基が繊維表面に現れ、汚れ成分を離れやすくするという。
また、ナノスケール加工「ナノマトリックス」により、撥水・撥油機能を持つ特殊加工剤を単繊維一本ずつに皮膜形成。機能剤の厚みムラがなくなり、着用や洗濯による機能剤の脱落が起こりにくくなり、洗濯耐久性が向上する。