三菱レイヨン・テキスタイル「ソルーナ」構造改善策

2006年02月09日 (木曜日)

 三菱レイヨン・テキスタイルの古川清史社長は構造改善を進めるポリエステル長繊維「ソルーナ」について「量を追わず、不採算の100%使い婦人服地や中東向け輸出などを絞り込み、得意分野に集中する」と述べ、段階的に生産量を落とし、中期計画の最終年度である07年度には年産6000トンにまで生産量を削減することを明らかにした。

 ソルーナは年産1万トン設備を持つが、05年度上期から約15%の減産中。今後、段階的に生産量を縮小し、最終的に能力比4割減の体制にする。

 生産量の減少に伴うコスト上昇は営業、工場の直接人員を減らすことで対応。すでに、昨年6月29日付で、全社営業体制を3部から2部に簡素化しており、ソルーナ担当は輸出と国内を一本化。主力であるトリアセテート繊維「ソアロン」などへ人員を移しており、工場も生産量に応じた人員体制にしていく。

 販売戦略面では100%使いの婦人服地、中東輸出を縮小する一方、インナー、スポーツ、ユニフォームなど向けの機能テキスタイルを強化する。現在、機能テキスタイルは3割を占める。これを最終年度には5割にまで高める方針だ。

 戦略素材の一つが、常圧カチオン可染タイプのポリエステル長繊維「A.H.Y」。糸売りでは服飾資材やカーテン、テキスタイルでは水着などのスポーツやインナーに展開しており、すでに、年1200トン規模にある。「これを2000トン台に乗せるのが当面の目標」としている。