中国クリーニング展「テックスケア・アジア」から

2005年11月16日 (水曜日)

 中国北京で開かれたアジア最大のクリーニング展「テックスケア・アジア」(メッセ・フランクフルト〈香港〉、中国軽工業機械総公司共催)。これを機に中国市場への開拓を強めようとする出展企業の意気込みを聞いた。

三菱重工産業機器/新会社設けてサービス強化

 クリーニングは前処理からシミ抜き、洗浄、脱水、乾燥、仕上げに至る各工程の総合技術。三菱重工産業機器は、クリーニングの基本である洗浄工程に着目し、全自動連続式水洗機と脱水機の2機種を中国の現地生産・販売に踏み切った。

 現地生産することで、「高性能で手ごろな価格を実現し、中国のクリーニング業界の発展に貢献できる」(業務部の松田耕造氏)ようにした。また、設備や機器の販売、サービス面でもきめ細かな対応ができるよう「北京友凱楽商貿有限公司」を設立、(1)工場建設のアドバイス(2)洗浄ノウハウの提供(3)洗剤、助剤の提供(4)設備機器の販売とサービス――など、クリーニング業をコーディネートできる一貫体制を整備した。

東都フォルダー工業/高性能機種でブランド訴求

 リネンサプライ用の各種フォルダー(折りたたみ機)を製造・販売する東都フォルダー工業は、タオルフォルダー「TB―70K」と、シーツフォルダー「SMF―14」「SMF―10」をメーンに中国市場に攻勢をかける。

 同社は、昨年から中国の展示会に積極的に参加し、1年かけて中国の人脈作りに力を入れてきた。今回の出展に際しても、「同展で中国での出展は4回目を数える。テックスケア・アジアは、出会いを探すというより、再会の場として活用したい」(前嶋祐介東都エンジニアリング次長)と位置づけている。世界の競合相手に埋もれないよう、あえて高機能機種を紹介し、日本の技術力と高品質をアピールした。

三愛工業/「テープマチック」好評

 三愛工業の「テープマチックコードレス」が注目を集めた。

 テープマチックコードレスとは、アイロナー(ハウスリネン用のプレス機)で、ガイドテープ(ロータリー部にリネン類が巻きつかないよう出口案内として張り付ける)の瞬間溶着機のこと。電源を入れると“待ち時間ゼロ”でテープの溶着が可能。溶着部が平らなため結び目から切れたりしない。また、ヒーターを使わない超音波溶着のため、ほこりの多い場所での作業も安全で、溶着したガイドテープの耐久力も3カ月から1年以上と持ちがよく、テープ交換が最小限で済む。

 また、溶着部が左右に回転し、利き手で作業できる点も来場者に好評だった。

東ポリ/欧米市場を視野に躍進

 東ポリは中国企業として出展した。クリーニング用包装資材、機材の製造販売輸出入を扱う。同展には設立5年目の「紹興東包利包装工業有限公司」で出展した。

 中国でのシェア拡大、あるいは欧米企業とのビジネスを発展させるには、現地に根ざした製造・販売をアピールするのが適当、との判断で、あえて外資系登録をしなかった。また、展示会終了後のフォローも現地対応だと来場者にとって安心材料になる。

 同社の主力商品であるクリーニング製品を包装するガゼットカバー・ポリ製品やハンガーなどは、すでに中国で生産されており、現在は、6割を日本向けに輸出するまでに成長した。

 今回の出展に際し、市来知章専務は、「中国では、クリーニング業界そのものが発展途上。中国生産のメリットを生かすチャンスがめぐってきた」としてこの展示会を高く評価している。