JIAM2005・端テクノロジーを世界へ/縫製支援機器

2005年05月17日 (火曜日)

アサヒテクニクス/生地測長巻取りテーブルを開発

 繊維関連機器の開発・輸入販売を行うアサヒテクニクスはこのほど、「生地測長巻取りテーブル」(予定本体価格48万5000円)を開発、本格的な販売に乗り出した。

 従来の原反販売に代わり、10メートルなど小ロットでの販売が主流となってきたテキスタイルメーカー・問屋の現状に即し、迅速かつ正確にカット販売できるようにしたものだ。

 原反を載せるバケット式解反機は、厚手の原反にも対応し、通常30センチの直径を40センチに設定。それに平行してカッターガイドを設け、素早く容易に裁断できる。オプションとして方眼天板や縦メジャー、自動カッター、別注テーブル、主導巻取り機(両サイドガイド付)を用意した。

 方眼天板は5センチと2・5センチの方眼を選べ、チェック柄など生地の歪みを起こさず裁断するのに便利だ。基本は縦137センチ×横180センチ×高さ85センチだが、別注テーブルにより設置スペースに最適なサイズに変更が可能だ。下段に原反の収納スペースを設けるとともに、キャスター付で移動も自由、場所を選ばない。すべて受注生産で導入先の要望にきめ細かに対応していく。

レクトラ・ジャパン/日本向け総合ソリューションを提案

 レクトラ・ジャパンは企画の立案段階から営業・販売段階までを一貫してサポートする各種アプリケーションをブースのテーマ「クリエーション・フォア・ザ・フューチャー」として提案する。

 とくに今回は、より日本のニーズにあった打ち出しを行うとしている。日本のアパレルが中国などに対し競争力を高め、付加価値の高いアイデアや商品を提供するために「クリエーション」分野での技術導入を重視している。今回もデザイナーのアイデアを補助し、製品段階にまで具現化する手段を提供するとしている。

 元来、ITと生産現場の相性は良く、ITとデザインは相性の悪いものとされてきた。事実、デザインの現場にITが導入される速度は生産現場に比べて遅いことが指摘されてきた。同社はデザイナーの創造性を阻害することなく、逆にアプリケーションの機能によって多くの雑務を省略することや、画像の取り込みや立体技術を交えた多彩な試行をすることでデザイナーのモノ作りを支援できるとしている。

 ブースにはこれら各種のモノ作りの支援アプリケーションのほか、機械ではパターンを皮革などに投影し裁断できる「コンツァー・ルミエール」を展示する。

クラボウ/デジカメからCAD可能に

 クラボウのエレクトロニクス事業部の開発した型紙入力システム「KS/KLフォー・アパレル」は、これまで約250社が採用している。手書きパターンをイメージスキャナで読み取ることで従来のデジタイザの知識を必要とせず、簡単にCADを作成できるのが特徴だ。自動追跡機能、輪郭抽出機能、簡易縫い代処理機能などで、デジタイザ入力の約2倍の処理能力を実現した。

 読み取ったデータはTIIP、AAMAフォーマットでアパレルCADを選ばず入力ができる。中国でのCAD使用も高まってきていることからインターネットの活用を意識し、日本で作成した型紙を中国へEメールで送ることが可能など、利便性も追求している。

 昨年には、同社の技術である三次元写真計測システムを応用、イメージスキャナを設置できないようなSOHO向けに、デジカメ(400万画素以上)で型紙を撮影し、ソフトウェアでデジタイズするシステムも開発した。イメージスキャナからの入力よりやや時間が掛かるものの、スキャナ込みでのシステム導入が200万円以上掛かるのに対し、費用は約4分の1以下というコストメリットが魅力だ。

旭化成AGMS/「QB」携帯電話とも連携

 旭化成AGMSは、アパレルデータの一元管理システム「QB(クオーターバック)」をはじめ、最新バージョンのCADシステム、仕様書システム、CGの「AGMS-PALLETE」、リモート検品・教育・保守まで可能な多元リモート会議システム「快議PRO」など、18小間のスペースで、すべてのシステムを紹介する。

 「QB」は、アパレルのビジネスを進めるうえで発生する各種データ(CADやCG、画像、仕様書など)をWeb上で一元管理し、それぞれの更新・融合、配信をリアルタイムで行える。今回、各社が所有する業務システムとの連携だけでなく、携帯電話からWebサーバーにアクセスできるようにした。これにより、時間や場所を問わず、生産の進ちょく状況や各種データの確認が可能となる。

 CADシステム「AGMS」では、完成した型紙の修正・アレンジを容易にする「セカンド・パターンナレッジ」を初披露。基準を自動設定できるため迅速なうえ、ミスの発生が少ない。CGの「AGMS-PALLETE」は先染め機能などのデモとともに、CADデータとインクジェットプリンターと連携し、生地に直接プリントする実演を行う。

トヨシマビジネスシステム/型紙の新入力装置を発表

 トヨシマビジネスシステムは今回のJIAM2005で、パターンの新入力装置であるエヌスキャンを発表する。また基幹商品となっているコンピュータ・グラフィックス(CG)ソフト「4Dボックス」の新バージョンも披露する。

 新発表するエヌスキャンはNHEGA(ニューヨーク)の新しい型紙入力装置。トヨシマビジネスシステムが日本国内の総販売元となる。ガーバー社、レクトラ社とのファイル変換も可能な世界標準のオートマチックデジタイジングシステムが構築されている。

 「4Dボックス」ニューバージョンの特徴は(1)フルカラーの配色機能(2)複数配色の実現――などにある。この「4Dボックス」は、先染め柄、プリント柄、ニット柄を描くことに特化したCGソフト。先染め柄用に、糸形状データを150本、織組織データを26種登録するなど、専用ソフトならではの工夫が盛り込んである。また「ウィンドウズ」上だけでなく、「マッキントッシュ」上でも動くのが特徴だ。

 このほか、今回の催しでは、サンプル見本生地へのダイレクトなインクジェット捺染が可能な特殊加工素材も発表する。

東レACS/次世代CADなど初披露

 東レACSは、次世代CADのプロトタイプに位置づける「ネクサマジック」の参考出品をはじめ、今春バージョンアップした「クレアコンポ2005」、生産管理システム「エフエムドット コム」、ウェブ会議システム「ウェブミーツ」などを出展する。

 ネクサマジックは、3次元の仮想ボディに、2次元で作成したパターンをはりつけるだけで、縫合情報・線情報・部位情報などが瞬時にパターンに入力。これにより、線情報を用いた裏地や縫い代作成、縫合情報による工程分析やマーキング処理などを実現した。仮想ボディは3次元スキャナーで読み取るため、各アパレルで微妙に異なるボディに対応する。発売は06年春を予定している。

 エフエムドット コムは、ウェブ対応で4ヶ国語対応(日・英・韓・中)のアパレル用生産管理パッケージ。アパレル・商社・小売店・工場間における進ちょく状況を、相互にリアルタイムで把握できる。また現地人材派遣会社との業務提携し、中国内の工場に詳細なデータ入力を行うオペレーターを派遣。これにより速やかなシステム導入を支援する。