05春季総合特集・トップインタビュー/尾崎商事社長・尾崎眞一郎氏

2005年04月28日 (木曜日)

「学生工学」を推進

 昨年、売上高400億円を目指す中期経営計画を発表した尾崎商事。最大手の目は将来を見据える。

05年7月期は微増見通し

――今入学商戦の商況と05年7月期の連結見通しを。

 モデルチェンジ商戦は、中学校はほぼ横ばいだったものの、高校は統合校など、再編によって生まれた学校の獲得が貢献し、増加の見込みです。その一方、スクール店頭分野は、ニットやコートといった通学関連商品が伸び悩み、微減になりました。

 スポーツ分野は他社、自社からのモデルチェンジ校数が700校を超え、前年実績を上回る見通しです。

 さらに関連会社も企業ユニフォームや介護分野などが増加の予定で、ozakiグループトータルの05年7月期の連結決算見通しは、前年度より微増になると思います。

――来期以降の重点課題や方向性は。

 私どもは「ozakiはユニフォームを通じて、着る人に愉しさを提供します」という考えのもと、今まで以上にモノ作りへのこだわりを持って、顧客満足度の向上を目指した商品作りを考えています。

 来期より全社的に「学生工学」という戦略を推進し、教育環境や時代の変化などを正確に読み取り、商品開発や販売戦略、広告宣伝活動、社会貢献など、あらゆる局面で業界標準作りを目指しています。

 また、各部門の重点方針として、店頭分野は、チャネル再編による売り上げの拡大を図り、より強固な販売ネットワークを構築するつもりです。また、地域定番制服などの併売制服市場では、「エル」「ミッシェルクラン」などのブランドを活用し、積極的な展開を行います。

 学校分野は、重点エリア政策に基づく既存事業の強化とともに、時代のニーズに対応した新規事業の確立を目指します。学校との結びつきを深めて、制服以外の分野のお手伝いもできればと考えています。

 スポーツ分野では、商品ブランドの浸透とともに、着用シーンを考慮した商品提案を実践し、より多くの学校を獲得したいと考えています。

――モノ作りへの考え方と海外生産について。

 当社は3年前に中国上海にozaki独資の海外法人「上海尾崎商事服装有限公司」を設立いたしました。設立の目的は尾崎商事の海外の基幹工場としてグローバルなコストで生産すること、アジア全体を視野に入れた現地での販売活動の推進などです。

 基幹工場は現在350人体制、生産量も伸びており、単月黒字化し、業績は順調に推移しています。また、中国の国内販売を目指してマーケティングを実施し、試験的な販売活動も始めつつあります。