機能素材ファイル(96)クラレ「ソフィスタ」
2004年06月28日 (月曜日)
●素材……ポリエステルを芯に、エチレン・ビニルアルコール共重合体の「エバール」を鞘にした芯鞘構造糸。芯ポリマーと鞘ポリマーの境界面をジグザグにし、接着面積が大幅に拡大した。
●特徴……従来の「ソフィスタ」は、吸汗速乾と接触冷感機能を生かしてスポーツウエアや肌着分野に使われきた。この進化版の当素材は芯にブライト系のポリマーを用い、高発色を実現。また、芯のポリエステルの表面はナノレベルで制御された深い溝で、光の吸収効果が上がり、濃色効果が高い。接着面積が広いことにより、撚糸時の白化や生地アタリの問題が解消。撚糸織物分野への展開ができる。
●用途……撚糸織物用途に使えるようになったため、国内のブラックフォーマルや中東の女性服アバヤ。もちろん、従来の用途だったニット製品へも引き続き使用できる。
●ひとこと……昨年から量産体制に入りました。これまでのブラックフォーマルは黒さの色ばかり追求していましたが、接触冷感という機能も求められる時代になったと考えています。(秋庭英治クラベラ事業部クラベラ開発部開発主管)