南通帝人/紳士用途の内販開始
2004年06月01日 (火曜日)
【上海5月29日=高橋要】帝人の中国ポリエステル織物製造販売子会社、南通帝人有限公司(江蘇省)は国内販売の拡大に力を入れている。スポーツや婦人に比べて遅れている紳士分野の新規顧客開拓のため、4月20日には有力SPAが集中する浙江省温州に事務所を開設した。裏地の備蓄販売を切り口にして表地につなげていく作戦だ。
南通帝人の表地販売を市場別内訳(最終製品ベース)は、国内、欧米、日本がほぼ3分の1ずつ。国内ではダウンウエア、ウインドブレーカーなどスポーツ用途が圧倒的に多く、婦人は緒についたばかり、紳士はこれから着手する段階である。
温州では倉庫を借りて紳士用裏地を60~70色備蓄し、高品質と短納期を武器にSPAへ販売。その販路に表地用ポリエステル差別化織物を乗せていくという。
南通では染色機8台の増設が今夏に完成。帝人加工糸の仮撚り工場も今秋には立ち上がる。これらにより自家製織、輸入生機両面から差別化品の種類が増加する。昨年4月に設置した商品開発部では月間200点近い試織を行っており、「中国市場に適合した独自の商品開発品もさらに増やす」(長川研一副総経理)方針である。