対欧米拠点に/マツオカと東レインター 中国南通に縫製工場

2004年04月15日 (木曜日)

 マツオカコーポレーションと東レインターナショナルは、南通にスポーツ衣料などの縫製工場「南通天睦製衣」を03年8月に設立し、今春から本格稼働に入った。保税区である「江蘇南通出口加工区」内へは同工場が初の進出となった。05年からのクオータフリー体制を見据え、欧米への最終製品輸出の拡大が狙いだ。

 資本金は119万ドル。マツオカの子会社、香港巴印飛麓が80・1%、東レインターが19・9%それぞれ出資した。ハンガー方式を導入した新型工場で、スラックス、ワーキングウエアなども生産する。年産は170万枚。3月末時点での従業員数は430人で、取得敷地も広く、今後、増設・増員も視野に入れている。

 欧米への輸出拡大を模索していた東レインターと、中国での縫製事業ノウハウを持ち新市場開拓に意欲的なマツオカとの思惑が合致した。東レインターの渡部毅社長は「クオータ撤廃を見越し、照準はあくまで欧米市場」と述べ、保税区の利点を生かし外国間取引を拡大させる考えだ。

 南通は、3月に丸井織物と東レが設立を決めた織布工場や、東レの事業会社、東麗酒伊織染〈南通〉などが集まり、東レグループの拠点となっていることから、同地で生産された東レ素材を中心に縫製する。また、東レインターとしては、中国内に現存する唯一の事業投資会社となる。