帝人・デュポン/パラ系アラミドペーパー事業で契約

1999年06月04日 (金曜日)

 帝人とデュポン社は二日、両社の折半出資による合弁会社デュポン帝人アドバンスドペーパー(東京、R・A・バーバンク社長、略称DTPJ)と同アジア・リミテッド(香港、J・オーヤン社長)におけるプリント配線基板用のパラ系アラミドペーパーの開発・生産・販売の契約を結び、三日から事業を開始した。

 電子機器製品のプリント配線基板は現在、ガラス繊維が主流だが、近年ますます小型化・軽量化・高機能化のための信号処理の高速化、デジタル化に対して、既存のガラス繊維では対応が困難になってきている。これを背景に、両社はパラ系アラミドペーパーのプリント配線基板を開発し、事業化に乗り出した。パラ系アラミドペーパーは、ガラス繊維より耐熱性、寸法安定性、強度に優れているため、生産工程における生産性が高く、回路の自由な設計を実現する。

 当面は、ALIVH技術により最軽量化に成功した松下電子部品の携帯電話向けに供給するが、パソコンやデジタルカメラ、デジタルビデオデッキへの対応も可能だ。用途や求められる性能に応じて、デュポンの「ケブラー」および帝人の「テクノーラ」、両ブランド融合などの形で対応する。

 日本市場においてはDTPJが二年以内に年間十億円の販売を目指す。DTPJは九四年の設立以来、主に電気絶縁材用途のメタ系アラミドペーパー事業を展開してきた(年商百億円)。

東南アジア市場はアジア・リミテッドが担当する。

 帝人、デュポン両社は、今回の新事業で電子機器分野における世界スタンダードを目指す。