ITSが来春夏展開く/大豆繊維など素材力を訴求

2003年07月25日 (金曜日)

顧客ニーズを直接つかむ

 伊藤忠繊維(上海)有限公司(ITS)はきょう(25日)まで、伊藤忠商事東京本社で「04年春夏展示会」を開いている。3月の03年秋冬展に続き第2回目。布帛を中心に中・高級アパレル向けの製品100点、生地250点を展示した。天然繊維が中心で、コンパクトウール、大豆繊維、竹繊維なども紹介する。

 前回はアパレル、SPA(製造小売業)を中心に50社・200人が来場。今回は招待を70社に広げて、「上海地区のモノ作りの可能性をアピール」(小関秀一ITS総経理)するのが狙い。

 中国からの対日アパレル輸出は今年、消費不振で飽和状態にある。その中でITSは「6%程度の伸び」を示す。しかし、「中国からの出し値は10%くらい下がっており、デフレ現象が続く。このため、上海から300キロ圏を生産地にしていたが、対象地域をもう100キロ延ばして価格対応する」という状態だ。

 それだけに、近隣地域は「素材から手の込んだものを扱い、中・高級品ゾーンを強化していく」方針。今回の展示会はその一環である。

 シルク、コンパクト綿・ウール、ストレッチ素材、吸汗速乾素材、カギ針セーターのほか、大豆繊維や竹繊維、「テンセル」混といった素材も提案する。「原料の輸入税が下がり、日系や台湾系メーカーの進出もあって、原料や糸は豊富」にある。

 また、ITSが40%出資して1月に立ち上げた新会社「三仟院時装有限公司」(資本金50万ドル、李聞文総経理)の製品や、婦人服を強化し出した陽光集団の製品も展示した。

 三仟院時装有限公司は「1~6月で利益が出ている。今年は300万ドルの売り上げが見込める。短納期対応をこなすことで、日本のSPAなどに対応している」(李総経理)と、好調に推移。小関総経理は、「日本で展示会を開くことで、現地スタッフが直接日本の顧客ニーズを知り、次のモノ作りがレベルアップする」と語った。