「アンフラ―EF」を開発/東レの難燃加工素材
2003年06月03日 (火曜日)
効果はCD糸混にも
東レは、リン系物質を主成分とする非ハロゲン難燃剤を使用したポリエステル難燃素材「アンフラ―EF」を開発し、1日からカーテンを主とするインテリア用途向けに発売した。従来難しかったカチオン可染(CD)糸混の素材でも効果を発揮する。カーテン用途での必須となる消防法の防炎性能試験「イ」ラベルの基準を満たす。
従来のインテリア用難燃素材には、コスト面からハロゲン系難燃素材が主に使われてきた。しかし、ハロゲン系難燃素材はダイオキシン発生の懸念があるため、消費者の環境意識の高まりに伴い、非ハロゲン系難燃剤の開発が要望されていた。非ハロゲン系難燃剤による難燃素材の開発には、品質の安定性や複合加工、CD糸の適用、風合い面などで解決すべき課題があった。
これに対して、東レは、新たに開発したリン系物質を主成分とする非ハロゲン難燃剤と同社が長年培ってきた繊維高次加工技術を組み合わせることにより、難燃剤成分をポリエステル繊維製品の繊維内部と表面にむらなく吸尽・吸着させることを可能にし、安定した難燃性能を付与させることに成功した。従来の非ハロゲン系難燃剤では十分な難燃性を付与できなかったCD糸混の製品でも効果を発揮する。これにより、杢調などの幅広い表面変化の表現も可能になった。制菌加工などとの複合機能加工も可能だ。風合いを維持しながら、優れた染色堅牢度と耐光性能も有す。
東レは、「アンフラ―EF」をカーテン、ロールブラインド、パーティションなどインテリア用途に展開する。主な販売先はインテリア用品問屋、小売店、カーテン生地メーカーなど。販売予定は、初年度2億円(原料換算ベースでは500トン)、3年後10億円(2500トン)。欧州を中心とする海外への販売も見込んでいる。
販売形態は、加工生地だけでなく、わた・糸・生機なども含む。加工生地以外の場合は、技術開示した所定の加工場を紹介することになる。更に、中国縫製による製品販売も、東レは視野に入れている。