防風透湿性芯地を開発/倉敷繊維加工、デュポンと
2002年07月03日 (水曜日)
クラボウの子会社で、短繊維不織布メーカーの倉敷繊維加工(大阪市)は米デュポンと共同で、防風、透湿性をもつ不織布芯地「クランボン・フェイスフォームFDK」を開発した。03年秋冬物からスポーツウエア、カジュアルウエア向けに投入し、同シーズン10万メートルの販売を計画する。
同芯地は短繊維不織布と透湿フィルムを張り合わせたもので、表地に関係なく防風性や透湿性を付与できるため、ソフトな薄手素材でも機能性を付与できるのが特徴。また、表地に防水加工生地を使用すれば透湿防水性を持たせることも可能という。表地との接着は従来の接着芯地と同条件のため、特別な設備も必要ない。2社で共同特許も申請済み。
品種はポリエステル100%製不織布使いとポリエステルと他素材混紡製不織布使いの2品番。カラーは白、黒の2色。アパレル入り価格は1メートル当たり1000円(140センチ幅)。
同社の不織布芯地は01年度売上高が前年比23%減と大苦戦。中国への縫製シフトとそれに伴う現地での副資材調達増、ニットなど芯地を使用しないファッショントレンド、ポリエステル加工糸織り芯との競合が響いた形だ。
今年度も需要減は避けられない見通しで、同社としては芯地以外の拡販に取り組むとともに、芯地では機能性をもつ不織布芯地の開発に力を入れている。同商品はそのひとつ。