ごえんぼう
2025年04月23日 (水曜日)
米の高騰が続いている。農林水産省の21日の発表によると、全国のスーパーで7~13日に販売された米5㌔当たりの平均価格が前週より3円高い4217円と、15週連続で高値を更新した▼1918年の富山県に端を発した米騒動。米不足と投機のために米価が高騰し、さらにシベリア出兵による大量の米の思惑買いが事態を悪化させ、東北3県と沖縄を除く全国368カ所へ抗議が拡大。参加した群衆は数百万人に上り、軍隊も9万人以上が動員された▼一方で米騒動は1920年代の社会大衆運動の原動力にもつながった。普通選挙運動や労働運動を大きく展開させ、近代市民の諸権利の獲得をもたらす契機となった▼焼き打ちや打ち壊しもあった当時と比べると、“令和の米騒動”はおとなしいが、人々の怒りはマグマのようにたまっているようにもみえる。歴史は繰り返すのか。今回も、社会を変える契機になるかもしれない。