日中新時代【後】AFF・大阪 レビュー
2025年04月17日 (木曜日)
共存体制改めて模索
今回の繊維ファッションOEM・ODM展示会「AFF・大阪」では、出展者、来場者の双方から日中繊維産業の共存体制を改めて模索する動きが見られた。
威海唐帛進出口は織り・編み地の自社縫製工場を持ちつつ、30社ほどの協力工場と提携した幅広いモノ作りを特徴とする。日本向けが9割を占め、大阪に支社も擁している。
トータルの生産能力は年間500万枚。素材開発、企画提案、高いコスト競争力を強みにこれまで日本市場を開拓してきた。生産アイテムは多岐にわたるが、ユニフォーム、コンプレッション、電動ファン付きウエア、ポロシャツ、アウトドアウエア、ダウンジャケットなどが主力。「対日が多いため米国の関税はほとんど関係ない」と今後の事業運営に自信を持っており、今回展でも既存、新規の両面で取引拡大への手応えを得た。
今回展では東南アジアコーナーが設けられ、「中国縫製ではない」という訴求も目立った。南通東方星服装進出口もその一社。中国国内に三つの工場を持つほか、ミャンマーとバングラデシュにも縫製工場を持つ。GRSなど複数の国際認証も取得しており、「国際的なプラットフォームを提供する」ことをアピールした。今回展でも来場したバイヤーから「認証があるのは助かる」との評価を得た。
今回のAFF・大阪を訪れたバイヤーからは、「やはり中国との付き合いなしでは事業が成り立たない」といった中国の価値を再確認する声や、「中国資本による東南アジアやバングラデシュ縫製に関心がある」といったチャイナ・プラスワンの候補地を探す動きが見られた。関税問題によって世界のサプライチェーンに変化が起こり始めた今、日中の共存体制を改めて模索する動きが強まっている。
(おわり)