JYから見る糸の傾向②

2025年04月01日 (火曜日)

合繊は製法や機能が多彩

 今回の「ジャパン・ヤーン・フェア」は、市場の合繊トレンドや夏の長期化の影響によって例年以上に合繊の提案が目立った。製法や機能にこだわった、多種多様な糸が並び来場者の目を引いた。

 初出展の蝶理は合繊長繊維の機能を生かした短繊維シリーズとして、衣料向けの「スパンラボ」を提案した。膨らみ感を持たせた綿タッチの「バルキー」、イージーケア性や強度などが特徴で芯鞘構造の長短複合糸「サニー」、特殊紡績で2種の短繊維を組み合わせた「ネリー」をアピール。スパンラボは2年ほど前からブランディングを進めており、徐々に販売は増加。特にバルキーが好調という。生産はグローバルな最先端のモノ作りを生かしている。

 豊島は既存の商材に加えて、合繊を軸とした二つの新素材を披露した。一つは「コンフォーテック」。ポリエステルなどの合繊に麻をカバーリングした素材で、清涼感や光沢感、ストレッチ性、吸水速乾、防シワを備える。快適性を追求した新たな機能性繊維としてアピールした。

 もう一つが「アクステックスN100」だ。二つの異なるナイロンをサイドバイサイド構造にした。収縮差から発生する糸のスプリング状態を生かしたナイロン100%のストレッチ素材。ソフトな肌触りや接触冷感も備える。ナイロン原料の一部は植物由来を使用した。

 シモムラ(石川県小松市)は高ストレッチ糸「ギネスト」を訴求した。尾州産地では珍しいのか、引き合いが強かったという。非フッ素撥水(はっすい)加工を施した綿糸や322色をそろえた再生ポリエステル長繊維の先染糸カラーブック帳「エコVO」も関心が高かった。エコVOは各種先染糸を組み合わせて撚り、杢(もく)を表現する「エコVOイリゼ」も好評だった。島精機製作所の「ヤーンバンク」に参画し、デジタル上で糸選びができる。

 カワボウ繊維(岐阜市)は武芸川工場(岐阜県関市)の設備を生かし合繊を中心とした差別化糸をPRした。ナイロン長繊維を押し込むように製造し、バルキー性や柔らかな風合いを持つ「リバーロフト」や、長・短の繊維を同時に梳毛引きする「ストロングリバーロフト」が好評だった。