ミャンマーの大地震 ヤンゴン周辺は通常操業
2025年04月01日 (火曜日)
3月28日に発生したミャンマー中部のマンダレー近郊を震源とするマグニチュード7・7の強い地震は、同国の繊維産業や日本のサプライチェ―ンにも影響を与える可能性がある。ただし、日系の繊維関連企業の工場は比較的ヤンゴンに集中しており、31日午後1時の時点では大きな被害は確認されていない。
震源地に近いマンダレー周辺の地域では、死者・けが人が多数出ているほか、建物倒壊や設備損傷が報告されており、生産活動が停止している。一方で、日系の工場はマンダレーから南へ約600㌔離れたヤンゴン周辺に多く、通常通り稼働している工場が大半を占める。
マツオカコーポレーションのヤンゴンにあるミンガラドン工場、シュエピタ工場では従業員や建屋に被害は出ておらず、「余震に注意しながら通常通り稼働している」としている。
ミャンマーに自社工場や協力工場がある、ユニフォーム関連のアイトス(大阪市中央区)やバートル(広島県府中市)も現時点で「大きな被害は聞かれず、通常通り操業」「設備や従業員に影響は出ていない」と説明している。
一般アパレル・カジュアル関連では、メンズカジュアルを手掛ける岐阜武(岐阜市)が通常通り稼働しており「被害の報告はない」と言う。小泉アパレル(大阪市中央区)やコダマコーポレーション(広島県福山市)も被害は確認されていない。
素材メーカーの東レ、帝人も、ミャンマーや地震の影響を受けたタイでの被害は確認されておらず、「今のところ影響はない」。
今回の地震で政府関係の施設も被害を受けており、「継続して貿易状況や交通インフラの動向に注視する」(マツオカコーポレーション)。特に物流面では「影響が出る可能性があるとの報告が現地から届いている」(バートル)との懸念もある。
今後、地震によるインフラ損壊により、原材料の調達や製品の輸送面で支障が出る可能性がある。さらに電力供給の不安定さや交通網の寸断によって納期遅延のリスクが高まっている。
ミャンマーの繊維産業は、同国経済において重要な位置を占めており、今回の地震による被害は、経済全体にも大きな影響を及ぼすと予想される。政府や関連機関は、被災した工場の復旧支援やインフラの早期復旧に向けた取り組みを進めるとみられるが、完全な回復には時間がかかりそうだ。
日本のミャンマーからの衣料品輸入は、国軍によるクーデターで2021年は大きく減少したが、22年以降から回復。24年は重量が前期比1・5%減の5万6542㌧、金額ベースが3・6%減の1666億円と一服した。この地震によって回復基調が戻るか不透明となっている。