GSIクレオス 飛躍へ25年度から新中計
2025年03月26日 (水曜日)
GSIクレオスは、2025年度(26年3月期)から新中期経営計画を始動する。吉永直明社長は「初年度は良い意味で踊り場になる」とし、グループの再編や3月に子会社化したソアロンなどの足場を固め、1927年の創業から100年を迎える「26、27年度に飛躍を図る」考えを示した。
今年度が最終の中計は、トリアセテート繊維事業買収費用の計上などもあったが、純利益は当初計画の22億円を上回る23億1千万円を確保する見通し。吉永社長は「約束した数字を達成しつつ、次の成長に向けて事業ポートフォリオの変革が実行できた中計になった」と総括した。
新中計が始まる25年度は、米国や中国の経済動向、米トランプ政権の関税政策などもあって事業環境は厳しいと予想する。初年度は、連結子会社であるクレオスアパレルの事業撤退を含め、飛躍のための足元を固める1年間と位置付けるが、事業環境が良くなれば成長を狙うとした。
創業100年を迎える27年と会社設立から100年の31年の二つの100周年に向けて着実な成長を目指すが、伸び代は海外になるとみる。米国は子会社の経営者を30代の社員に入れ替え、南米と一体となって米州全体で伸ばしていく。インドも化学品を中心にビジネスが増えてきたとする。
トリアセテート繊維「ソアロン」はウェブサイトの刷新や産地企業との連携深化によって国内外で拡販を目指すとし、4月1日から新生ソアロンとして本格的に走り出す。「『三菱ケミカルのトリアセテート繊維』ではなく『ソアロンのトリアセテート繊維』のイメージを定着させたい」とした。
なお、クレオスアパレルとSHAREの事業撤退について「繊維をより強い事業にするための苦渋の決断だった」とした。その上で再編はほぼ終わったとの認識を示した。