繊維ニュース

大和紡績 注目に応える機能レーヨン使い

2025年03月24日 (月曜日)

 大和紡績は、機能レーヨン使いの素材群を拡充している。グループのダイワボウレーヨンの機能レーヨンと紡績技術を組み合わせ、他社にない機能を訴求するほか、環境配慮型レーヨンによって関心の高まるサステイナビリティーへの対応によって市場を広げる。

 昨年から売れ筋になっているのはポリエステル・レーヨン混の機能紡績糸「ナチュラルブレンド」。特殊紡績によって、毛羽立ちが抑えられ、長く奇麗な外観を保つほか、Tシャツやインナーに適したハリのある風合いに仕上げた。製品OEMを軸にインナーやカジュアル、スポーツ、寝装などへ広がる。

 スポーツウエア用途では「これまでレーヨンのドレープ性をあまり評価されない傾向があった」。しかし、多彩な機能やサステへの関心の高まりで見直され、「受注が増える傾向にある」と言う。ナチュラルブレンドではポリエステルに暑熱・UVカットの「レイシールド」、消臭の「パラモス」、防虫の「バグノン」、抗菌防臭の「バクトフリー」といった機能レーヨンとの組み合わせが可能。特にレイシールドとの組み合わせでスポーツブランドへ採用が進む。

 消臭だけでなく、独自のpHコントロールで生地表面を弱酸性に保つパラモスでは、寝装関係やマタニティーで採用。子供服チェーンへ安定した採用があると言う。

 ポリエステルの代わりに綿を使ったレーヨン混の特殊紡績による機能糸「セルハーモ」は、サンプル供給にとどまっているが、天然繊維へのブーム回帰を見据え、提案を強める。

 他にもデニムやTシャツなどの端材をパルプ化し、原料の一部としてリサイクルした環境配慮型素材「リコピス」では、25春夏向けのスポーツブランドへの採用が活発になっている。

 難燃レーヨンとモダクリル、綿の混紡糸を使った難燃素材「ノンブレイズ」はキャンプブームが落ち着き、関心が薄まるものの、引き続き新たな販路開拓に取り組む。