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「23区ゴルフ」/正統派スタイル提案/夏物の投入2割増

2025年03月21日 (金曜日)

 オンワード樫山が展開するゴルフアパレルブランド「23区ゴルフ」は25春夏から、「大人の社交場」としてゴルフを楽しむ人に照準を定め、正統派スタイルを提案する。格式の高いゴルフ場での着用を想定し白や黒、ネービーといったベーシックな色使いの商品を中心に展開する。加えて、夏向け商材の構成比を増やす。シーズン後半の6~8月に投入する商品を従来比で2割ほど増やしその分、3~5月を抑える。

 23区ゴルフはこれまでベーシックな色柄だけでなく、ポップな柄や鮮やかな色使いのウエアも提案し、ターゲット層を広く設定していた。一方、オンワード樫山が展開するもう一つのゴルフブランド「PWサーキュラス」はポップな色柄やカジュアルなデザインが特徴。両ブランドの商品領域が重なる面があった。このため両ブランドのすみ分けを図る狙いで、23区ゴルフはベーシック路線にかじを切った。

 担当者は「25春夏から派手な色柄のウエアはかなり減らした。以前は投入していたジョガーパンツといったカジュアルなアイテムも外し、高見えする王道のゴルフウエアを中心に商品を企画した」と説明する。

 柄物の商品は大幅に減らす分、キャラクターなどとのコラボレーション商品の打ち出しを強める。今年は人気漫画「ピーナツ」が75周年を迎えることから、スヌーピーをあしらったシックなデザインのアイテムを4月、6月、9月に投入する予定と言う。

 暑く長い夏にも対応するため春物を減らし、夏物を増やす。ユニチカトレーディング(UTC)の吸放湿ナイロン長繊維「ハイグラ」を採用したポロシャツや、温度調節機能を持つ特殊素材・PCMを使用したトップスやボトムスを訴求する。

 アイテム別では、とりわけパンツを強化。ジッパー仕様で膝部分から切り離せるパンツは、季節や気温に合わせてロングパンツとしてもショートパンツとしても使え、シーズンを通して長く着られるのが売りだ。

 スリムに見え動きやすい「ニューフィットパターンウエストムーブパンツ」はイチ押し商品だ。360度の方向に伸縮する高ストレッチ素材を採用。スリムに見えるが、パンツの内側を立体的にして、さらにゆとりを持たせることでよりスムーズに脚が動くパターン設計にしている。またウエスト部分にゴムを内装した「ウエストムーブ」仕様にして、着用感を高めた。

 夏対策で接触冷感や紫外線ケア機能も付加。後ろポケットにはスコアカードや携帯電話が収納できるスマートポケットを付けるなど、ゴルフに特化したパンツに仕上げた。

 太ももあたりの一部分に、防汚素材を施したパンツも提案する。ゴルフのプレー中、手袋などに泥が付いてもすぐ拭き取れるようにするのが狙いだ。工夫を凝らした商品で、他ブランドとの差別化を目指す。