睡眠ソリューション/BtoC、BtoBで拡大/デジタル販売から健康経営、教育まで
2025年03月19日 (水曜日)
健康で豊かな生活、日中のパフォーマンスや生産性向上に向けた、睡眠ソリューションの取り組みが加速している。各種商品・サービスの開発や販売手法、健康経営のサポートなどBtoC、BtoBの双方で活発化。産学連携による教育コンテンツ創出も見られる。(岡崎直子)
一人一人に合ったマットレスや枕を導き出すデジタル測定サービスは、家具・ホームファッションチェーンにも拡大。nishikawaは掛けふとん選びでもデジタル診断を確立し、今春から店頭に加え、公式オンラインストアにも導入した。100店舗を超えた睡眠コンサルティングサービス「ねむりの相談所」のさらなる拡大にも力を注ぐ。
睡眠関連事業のブレインスリープは、12日に開設した阪神梅田本店の期間限定店で、中途覚醒や睡眠時間など六つの観点から睡眠の悩みにアプローチするブースを初設置。商品だけでなく、ルーティンアドバイスなどの解決策も紹介する。
NTT東日本グループのNTTDXパートナーは、睡眠相談専用のAIチャット「ネムソウ」を開発し、企業、自治体向けにサービス提供を始めた。ブレインスリープ監修の元、ブレインヘルスラボ提供の睡眠資格の教本データなど最新知識を組み込み、対話型で悩みを掘り下げて、より正確なアドバイスをする。
同グループは昨年度来、佐藤栄学園さとえ小学校と協働し、「睡眠×テクノロジー教育」を実施。児童自身の睡眠の可視化・分析・課題発見、実社会での課題解決の力を養う「STEAM教育」を通して、他の教育機関でも実践可能な睡眠探求授業のコンテンツを共創した。
メガネのジンズは「寝る育」を掲げ、日本睡眠協会と睡眠を巡る社会課題解決を推進。三井住友海上火災保険とともに行った、同社従業員の睡眠環境の検証では、就寝前のブルーライトカットメガネ装用で、中途覚醒の減少、起床時の休養感アップ、昼間の眠気減少・集中力向上といった可能性を確認。人々のウェルビーイング向上や健康経営に役立てていく。
nishikawaでは、高精度センシングマットレス「[エアーコネクテッド]SXマットレス」が伊藤忠商事の新女子寮に導入された。睡眠の質・量が労働生産性向上に寄与すると考える、伊藤忠の健康経営をサポート。BtoBでは睡眠改善プログラムや仮眠室などで実績を上げてきたが、今後はセンシングマットレスを含め、自社研究機関である日本睡眠科学研究所の科学的知見を生かした商材・サービスを幅広く提案していく。
パラマウントベッドと日清食品は14日、「食と睡眠によるウェルビーイング向上プロジェクト」を始動した。第1弾で消費者3万人を対象に「幸福の価値観」「食と睡眠に関する行動」を調査。日常生活に気軽に取り入れられ、ウェルビーイングを高める食と睡眠の“ゴールデンアクション”を探る。