インテキ上海25春夏レビュー 前

2025年03月19日 (水曜日)

来場者数が昨年展上回る

 世界最大級の服地と副資材の国際展「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2025春夏」(インテキ上海)が11~13日、中国・上海の国家会展センター〈上海〉で開かれた。来場者数は昨年春展を上回ったもようだ。日系出展者は「スポーツ」などを切り口にした提案を行い、盛況だった。一方、日系企業の競合と目される地場の備蓄系メーカーの台頭を印象付ける展示会となった。

(上海支局)

 今回展の出展者数は24カ国約3100社超で、昨年春展(3千社超)を若干上回った。日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が主催する「ジャパン・パビリオン」にはタケミクロス、アンツジャパン、ベリーテックス、アクタスセコンド、SVCの新規5社を含む29社が出展した。昨年春展を2社上回り、春展として過去最多となった。東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)や南通帝人、スタイレム瀧定大阪、ソアロン、カイタックグループのZERO―TEX(ゼロテックス)などは単独で出展した。

 初日の来場者数は、昨年春展を2割弱上回ったとみられる。2日目、最終日も盛況だった。これを受け、ジャパン・パビリオンの出展各社の商談件数は伸びた。初日は昨年春展に比べ微増したところが目立った。2日目も好調で、柴屋などの一部は商談件数が初日を上回った。

 不動産市場の低迷などを受け、消費マインドが冷え込んでいる影響で、中国のアパレル市況は悪化している。ネット通販ブランドも、優劣が鮮明だ。ネット通販の24年アパレル小売総額は、前年比1・5%の伸びにとどまった。上げ幅は、23年(10・8%増)から9・3¥文字(U+333D)も縮小。25年1~2月は、前年同期比0・6%減った。新型コロナウイルス禍の拡大を受け、上海が都市封鎖された22年1~5月以来のマイナスとなった。

 こうした中、日系出展者はスポーツやアウトドアをテーマにした素材提案に力を入れた。

 東レの中国法人で、長繊維生地を製造販売するTSDは、アウトドアウエアに最適な防水透湿素材「ダーミザクス」などを訴求。ニッケは、「スポーツ」「夏」「カジュアル」の三つのカテゴリーに分け、ウール使いのデニム地などを打ち出した。GSIクレオスグループの新会社、ソアロンは、トリアセテート繊維「ソアロン」を、スマートカジュアルとアスレジャー向けとして提案。サンウェルは、アーバンアウトドアの流行に対応し、防水や保温機能を持つ「アーバン シールド」と、軽さを追求する「ウエイト マジック」の二つのカテゴリーの生地の訴求に力を入れた。