帝人フロンティア 収益力の向上を追求
2025年03月19日 (水曜日)
帝人フロンティアの収益が拡大を続けている。2025年3月期の事業利益は180億円(帝人の繊維・製品セグメントの数値、以下同)の見通しで、平田恭成社長は個人の見解とした上で「150億円の利益が安定的に出せる実力がつきつつある」した。次の成長に向けて「M&A(企業の合併・買収)も検討」する。
同社の2024年4~12月の事業利益は151億円を確保し、前年同期と比べて51・9%増加した。衣料繊維分野、産業資材分野ともに販売が好調に推移したことが数字を押し上げた。年間の予想も従来の165億円から180億円に上方修正し、前年の130億円を大きく上回る見通しとなった。
平田社長は収益拡大について「今期はほとんどのことがうまくいっている。特に衣料繊維分野が良い」と説明。衣料繊維は国内向けの衣料品、北米や中国向けの生地・衣料品が好調だった。中でも中国子会社で、ポリエステル長繊維を中心とする化合繊織・編み物を製造・販売する南通帝人がけん引役を務める。
修正後の通期予想である180億円は達成できる見込みながら、「180億円は常の数字ではないと認識し、気を引き締める必要がある」と強調した。その上で基礎収益として100億円を確保できる体制を構築し、次のステージでは150億円を安定して出せる会社へ成長する。さらに180億、200億円を目指していく。
その一環として強い分野への投資も行う。RO(逆浸透)膜用のショートカットファイバーの増強、東南アジア拠点の強化、環境関連などが候補となる。また、今の事業だけでは180億、200億円は難しいとし、M&Aも視野に入れる。「産業資材、衣料繊維を問わず価値があるものは検討したい」と話した。