ごえんぼう

2025年03月19日 (水曜日)

 8日の「国際女性デー」のある3月は「女性史月間」で、女性の歴史や貢献を学ぶ月とされる▼女性解放を目指し、下着からアプローチした人が、読売新聞のファッション担当記者を経て下着デザイナーとなった鴨居羊子氏(1925~91年)▼ナイロン製のカラフルな下着を作り出し、55年に下着は口にすべきではない、白に限るといったモラルからの解放を唱えた「下着ぶんか論」を中央公論に発表。57年に大阪・ミナミで開いた第1回ショーでは、男子禁制を破ったばかりではなく、フィナーレで舞台から色とりどりのパンティーを観客に向かって投げた(『朝日クロニクル20世紀』)▼「下着の革命家」と称された鴨居氏は、エッセイストでもあった。「人生はアイスクリームのごとしだ。やがて時間と日向の太陽に溶けてなくなってしまうが、決して全部が消えてしまうわけではない」。下着の解放者として歴史に名が刻まれている。