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「インテキ上海」日本館/独自素材ブランド前面に/メーカー・商社が内販深耕

2025年03月18日 (火曜日)

 【上海支局】11~13日に中国・上海で開かれた服地と副資材の国際展「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2025春夏」(インテキ上海)の「ジャパン・パビリオン」に出展した生地メーカー・商社各社は、中国内販の深耕に向け、独自素材ブランドを訴求した。

 帝人フロンティアの中国法人、帝人商事〈上海〉は、独自開発した新素材「ワンダーパイル」と、中国内販が好調なポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」の二つの素材ブランドをアピール。ワンダーパイルは、ポリエステル使いの起毛トリコットで、通気性と保温性の双方に優れ、春先や秋口の製品に適している。同素材を使った製品の着用者が静止、または軽く動いているときは、衣服内環境を適度な温度に保つ。動いている際は、余分な熱気を排出し程よい温度に下げ、蒸れを防ぐ。裏地として使用する場合は、起毛部分が空気層を作り、中わたの役割を果たす。

 ニッケは、「夏」「スポーツ」「カジュアル」の三つのカテゴリーに分け、グループ会社のニッケテキスタイルが生産する日本製織物と、青島日毛織物が生産する中国製先染め織物の双方をアピールした。ウールを使ったデニム地とシャツ地、2重織が多くの引き合いを受けた。ウールを使ったデニム地は、昨年から内販が好調に推移する。

 麻織物製造販売のタケミクロスは、天日干し素材をアピールした。これまで日系商社経由で内販を進めてきたが、天日干しの織物のニーズが少なくないことが分かり、今回展に初出展した。差別化を求める地場カジュアルブランドの開拓を狙う。

 クラボウは、液体アンモニア加工で綿の繊維を膨潤(ぼうじゅん)させ、優しい風合いを際立たせた織物や、ワッシャー加工による立体感および洗いざらし感と、光沢感を両立させた綿使いの織物などを訴求した。このほど始めたSNS「微信」(ウィーチャット)の公式アカウントの訴求にも努めた。

 丸井織物は初出展した昨年秋展に続き、超寿命機能素材「ノトクオリティー」を前面に打ち出した。同素材は、防シワ性やストレッチ性などの機能の消耗劣化を抑えた織物だ。シャツ地や2重織の編み物調素材が引き合いを受けた。