魅力高める 中国OEM・ODM企業~「第3回ザ・メーカーズ・ アパレルショー」レビュー~➃

2025年03月18日 (火曜日)

多彩なアイテムで裾野広げる

 生地販売に注力する出展社のうち、2003年設立の温州合盈国際商貿は合成皮革、人工皮革が主力。日本市場には10年以上前に進出しており、これまで手芸店などに納入していた。今回の出展でインテリア市場にも裾野を広げていきたい考え。製品は、PVC、ポリウレタン、セミポリウレタン、マイクロファイバーなどで、ウエア、シューズ、グローブ、ソファ、自動車内装向けをラインアップする。

 生産、販売に加え、研究開発も行っており高い技術力が強み。7本のラインを備える自社工場では1日当たり7万㍍の生産が可能。メキシコ、イラン、パキスタンなどにも輸出実績がある。欧州の環境基準に適合した製品や再生可能なエコ製品もそろえる。

 紹興溢杭紡織品は、コットン、レーヨン、ポリエステル、リネン、からむし(苧麻〈チョマ〉)の布帛染色生地などを輸出販売する。自社工場の年間生産能力は200万㍍。

 蘇州諾広紡織は、22年間にわたりリサイクル素材、フェイクアセテート、海島綿、ポリエステル混紡などのエコ・機能素材、婦人服OEMを手掛ける。一体型生産体制によりデザインから納品までの全てのプロセスで多様なニーズに対応する。

 杭州諾潤服飾は、Tシャツ、ポロシャツ、セーター、ジャケットなどのカジュアルウエアのOEMを行う。特に3Dプリント加工に強みを持ち、細やかで立体的なデザインが可能。

 寧波市群安進出口はファッション帽子のOEMを手掛ける。最短納期は30日。日本への輸出実績は10年以上で年間30万点を生産する。

 南通蘇韻国際貿易は、紳士用スーツ、コート、シャツ、Tシャツ、スエットを中心にOEMを展開。ほぼ全てを日本市場に輸出しており、13年の実績を持つ。自社工場を2カ所所有し布帛とカットソーを生産。各種洗い加工、染色、パウダー加工、刺しゅうなどの2次加工も得意とする。再生素材にも対応。

 会場内には下着や水着、アクティブウエアの生地に焦点を当てた特別展示エリアが設けられ、今秋上海で開催予定の国際見本市に出展する6社の大手中国下着サプライチェーン企業が参加した。このうちの一社の福建¥文字(U+946B)源欣紡織は、ニット生地と面ファスナーの開発と販売を主力とする。下着、スポーツウエア、水着向けが中心で、現在の仕向け地はほぼ欧州が占める。今回の出展に当たっては日本市場の新規開拓を目的とする。最先端の織布、染色、仕上げ設備と自動化倉庫管理システムを導入したスマート工場は日産30㌧。国際ブランドの物理・化学試験にも対応が可能。