繊維ニュース

食品白衣 カラー、機能多彩に

2025年03月17日 (月曜日)

 食品白衣の今シーズンの新商品は、社会の多様化に合わせ、白をベースとしながらも多彩なカラーや機能をそろえ、従来の白衣のイメージを覆すものが増えている。顧客の声を反映させた開発も目立つ。

 食品白衣の需要は、衛生管理の国際基準「HACCP」(ハサップ)の完全義務化や、共働き世帯の増加や高齢化など社会環境の変化もあり、ここ数年拡大している。日本惣菜協会によれば、2023年の惣菜市場規模は前年比4・9%増の10兆9827億円で、24年以降も拡大傾向にあり、食品白衣は中食需要の拡大でより細かいニーズを捉えた商品開発が活発になっている。

 住商モンブラン(大阪市中央区)は、食品工場向け白衣「スムースフィット」シリーズで多様な素材使いをそろえ、温度帯別に選べるウエアの供給に力を入れる。

 中でも売れ筋は、高温作業環境向けの制電トロピカルを使ったウエア。東洋紡せんいのUVカットや透け防止機能のY字断面フルダルポリエステル糸「ダルファインテトラ」を使い、汗を素早く吸収、拡散、蒸発させ、常にサラッとした快適な着心地を保つ。新たにピンクやイエローなどのカラーを追加し、職種などの色分けができる。

 2次加工対応のネームホルダーでは特許を取得。取り外しやすく、洗濯時のネームの破損や紛失を防ぐ。全商品に加工ができる。

 食品白衣ではこれまで体毛落下防止により長袖しか展開していなかった。しかし、夏場は長手袋の着用の組み合わせで「意外とニーズがあり、別注対応が多かった」半袖タイプも定番化。ポリエステル100%のクールリップストップ(クーリップ)生地を使い、高温作業下でも快適に過ごせる。

 サーヴォ(東京都中央区)は、ヘアネットとフードを一体化し、毛髪落下防止を強化したヘアネット一体型フードを開発。顧客の声から生まれ、「ありそうでなかった」商品として展示会でも関心が高かった。

 3D構造の特殊パターン設計を取り入れた「アスリード」では、高温作業向け「涼みドライ」、制電・防汚機能付きでストレッチが効いた常温作業場向け「コンフォートトロピカル」の新商品を追加。涼みドライでは、ネービーとアイスブルーの大胆な配色のウエアもラインアップしており、これまでの食品白衣の印象を変える。