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「インテキ上海25春夏」日本館/初日商談件数伸びる/生地商社は差別化訴求

2025年03月13日 (木曜日)

 【上海支局】11日に中国・上海で開幕した服地と副資材の国際展「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2025春夏」(インテキ上海)の「ジャパン・パビリオン」出展各社の商談件数は、昨年春展をやや上回った。同展全体の来場者数も昨年実績を超えたもようだ。地場の競合が台頭する中、日系生地商社は日本の独自加工などの差別化素材を訴求している。

 瀧定名古屋の初日来場者は、昨年春展に比べ微増した。ドライな風合いと、上品な艶が特徴のアセテート使いの日本製朱子織などが注目を集めている。東レが中国などの外注工場で生産する生地ブランド「EVOTRUTH」(エボトゥルース)の訴求にも余念がない。

 サンウェルも昨年春展を上回った。アーバンアウトドアの流行に対応し、防水や保温機能を有す「アーバン シールド」と、軽さを追求する「ウエイト マジック」の二つのカテゴリーの生地の訴求に力を入れた。現地で開発したシルクとナイロンの交織織物などが引き合いを受けている。

 ヤギは日本製の備蓄品に加え、日本と中国で開発する別注品を出展し、開発力の高さをアピールする。主力の丸編み地だけでなく、日本の独自技術を生かした織物も充実。近江晒加工のデニム地や、ドライでペーパーライクな風合いのウール使いの織物を目玉として打ち出す。

 双日ファッションの来場者も微増した。後染め、先染め、プリントのバラエティー豊かな日本と中国製の織物を出展。起毛やワッシャー、液流などのさまざまな加工を訴求している。

 宇仁繊維は、軽さ、表面加工、光沢、ビンテージ加工をキーワードにする生地をそろえた。中国でもデニムがトレンドになりつつあることを反映し、デニムライクの編み物や織物が注目されている。