シキボウ 生活資材グループ 高洗濯耐久プリント拡販
2025年03月13日 (木曜日)
シキボウの生活資材グループは2026年3月期、前期比増収増益を目指す。工業洗濯に対応した洗濯耐久性の高い顔料プリント「アペニノ」使いが前期に引き続きメディカルリネンサプライ向けで期待できるほか、流通在庫の消化が進んだ一般寝具寝装向けも拡販へつなげる。
海外拠点の台湾敷紡などを活用した提案も強める。
生活資材グループは、一般寝装向けを中心としたライフスタイル1課、同2課、メディカルリネン課の3課で構成する。
同グループの25年3月期は、売上高が前期比横ばい、営業利益が微増益の見込み。一般寝装向けは、物価高による消費低迷など市場の影響を受け減収増益だったが、メディカルリネンサプライ向けはアペニノ使いなどが伸びて増収増益となっている。
アペニノは、工業洗濯でも顔料が脱落しにくく、洗濯100回の顔料脱落試験でも色落ちしにくい結果を得ている。製品寿命を伸ばすことができ、色落ちによる廃棄ロスを減らせるほか、洗濯時に他の衣類などへの移染や白地部分への再汚染を防げる。そのメリットが評価され、リネンサプライ企業からの指名買いが増えており、26年3月期も期待できる。
同社の海外拠点を活用した寝装向けの開発、提案も強める。台湾敷紡が手掛ける長繊維、トリコット素材などをリネンサプライ向けの病衣、館内着、マットレスの“側”(中わたを入れる前の半製品)などへの展開を図るほか、インクジェット捺染機を24年に導入した湖州敷島福紡織品(中国浙江省)やインドネシア紡織加工会社のメルテックスを活用した素材開発を進める。
臭気対策剤「デオマジック」の拡販も図る。デオマジックは、臭いを消す消臭とは異なり、不快な臭いを薬剤の成分で取り込んで、ナッツ、フルーツ、フローラルの香りに変える。国内の産廃処分場や畜産、バイオマス発電といった産業用途でも広く使われているが、採用が増えつつある中国など海外販売を拡大する。