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クラボウ・ユニフォーム/最終ユーザーとの接点生かす/“高通気”が倍増の勢い

2025年03月12日 (水曜日)

 クラボウのユニフォーム部は、暑熱リスク・体調管理システム「スマートフィット」の販売と連携しながら最終ユーザーとの接点を生かし、ユニフォーム地の開発力を高める。今期(2025年3月期)は、高通気でストレッチ性のある「ジェットエアー」の売り上げが倍増になる勢いで、厳しい市況の中でも売れ筋商品が増加。よりユーザーニーズを捉えた素材開発を活発にする。

 今期はワークウエアの在庫調整に加え、ユニフォームメーカーの値上げによる買い控えによって定番商品の需要が減少。夏物でポロシャツなどニット化が進み、織物需要も相対的に減りつつある。ただ、差別化素材の動きは堅調で、中でも高通気に加え、ストレッチ性、清涼感に優れたジェットエアーの販売が拡大。ポリエステル・綿混で、ポリウレタンを使っていないにも関わらず15%以上のストレッチ性がある。

 昨年の素材展ではジェットエアーに、難燃「ブレバノ」や高制電「エレアース」を組み合わせた素材を打ち出した。ブレバノとジェットエアーの複合素材では早くも大口別注で採用が決まった。

 こういった成果は3年前に、スマートフィットの営業チームがユニフォーム部に移管されたことが大きい。最終ユーザーへプレゼンテーションする機会が多いスマートフィットチームに、ユニフォームの営業担当者も同行。「ユーザーがどのようなユニフォームを着用し、求めているのかを直接聞く」機会が増えてきた。その声を素材開発に生かすとともに、ユニフォームメーカーへの素材提案で「説得力を出す」ことによって、少しずつ成果につながりつつある。

 来期もスマートフィットチームと連携し、最終ユーザーを見据えた動きを一段と強化。ユーザーとの接点をもっと作るため例年より展示会への出展機会を増やす。4月の「ものづくりワールド」(名古屋)、6月の「SAFE@WORK」(タイ・バンコク)、7月の「はたらく現場の環境展(JIOSH+W)」(大阪)、「猛暑対策展」(東京)、9月の「緑十字展」に出展を予定。アシストスーツ「CBW」も含め、「提案の幅を広げ、エンドユーザーと話がしやすい」体制の構築で市場開拓を加速する。