日清紡テキスタイル/ブラジルで紡機増設へ/インドネシアも技術強化
2025年03月05日 (水曜日)
日清紡テキスタイルは今期(2025年12月期)、ブラジルで渦流紡績機「ボルテックス」の増設を計画している。ブラジルでは取引先のニーズに応じた「開発型の原糸販売へと変わりつつある」(村田馨社長)として、技術力が向上。「その経験をインドネシアでも応用する」として、織りや加工技術と組み合わせ、さらなる開発力の強化につなげる。
前期は、シャツの販売不振、ユニフォームの価格転嫁の遅れがあったものの、ブラジルで原糸販売の好調によって2期ぶりに営業損益が黒字化した。
ブラジルでは月間約1100トン生産しており、うち210トンが渦流紡績機で、残りはリング紡績機。ほとんどがブラジル国内での販売で、ニット用糸として発色性の良さが評価され、「高品質な糸として認知されつつある」。
現状7台の渦流紡績機がフル稼働で、今年中に50~60トンのリング紡績機の生産分を渦流紡績機に切り替える考え。ブラジルでは取引先の用途や要望に合わせ、「特徴を出せる糸開発ができるようになり、ノウハウが蓄積されてきた」。そのノウハウをインドネシアにも移管する。
インドネシアでは前期、シャツ、ユニフォーム向けの減少で日本向けが苦戦したが、インドネシア国内のローカルを含む海外向けの売上高が前期比20%増と堅調。ローカル向け販売と中東民族衣装向け生地の輸出が伸びた。
欧米が中国から生産をシフトしていることや、国際認証の「エコテックス・ステップ」「SA8000」を取得し、トレーサビリティーへの対応が「評価されつつある」。この2年間、紡機や液流加工機を増設してきた。今年も海外市場の拡大に向け染色機の増設を検討している。