シキボウのメルテックス

2025年03月05日 (水曜日)

 シキボウのインドネシア紡織加工会社、メルテックス(東ジャワ州モジョケルト)は、自社の紡績、織布、加工設備を生かして高付加価値素材(糸・生地)の開発を加速させる。

中国の安価な繊維素材が席巻する中、少量生産対応や同社ならではの機能、付加価値で違いを生み数量増や新たな売り先開拓に取り組む。

 同社の主力はポリエステル・綿混の糸・生地で、用途は中東民族衣装用と企業ユニフォーム・シャツ用の2本柱。同じグループの製織・染色加工場、シキボウ江南(愛知県江南市)で仕上げを行うケースが多く、メルテックスの現在の売上高のおよそ8割が日本向け輸出となっている。

 今期(2025年12月期)は増収増益を計画する。中東民族衣装向けの素材の販売で好調が続くほか、これまで低調だった定番ユニフォーム地の需要に回復の兆しがあると言う。そこに伸び悩みが続く紡績事業をテコ入れすることで全社的な業容拡大を狙う。

 中国製素材(糸・生地)の“安売り”は今期も続いているが、メルテックスは独自性のある糸の開発力に加え、大規模な工場にはできない少量生産対応や環境やリサイクル分野の国際認証も生かして糸の生産・販売数の増加につなげる。「紡績設備は老朽化が進んでいるため、ニーズや市況に合った設備投資も検討する」(小川英良社長)

 新たな販路開拓に向け、日本、中国、台湾、ベトナム、タイにあるシキボウグループ企業との連携も強める。その施策の一環で、2月下旬にベトナム・ホーチミン市で開かれた繊維総合展「VIATT2025」のシキボウグループのブースで、他拠点の素材とともにメルテックスの商材もアピールした。

24年12月期は減収増益

 メルテックスの24年12月期決算は減収増益だった。中東の民族衣装用生地販売が好調で利益をけん引したものの、ユニフォーム・シャツ用素材が伸び悩んだ。この分野の苦戦が、紡績事業の停滞の主因。現地での資材用の糸売りは堅調だった。

 生産能力は紡績がリング紡績を中心に5万錘、多いのは35~40番手。織機はエアジェット織機をメインに90台。直近の生産数量は糸が月産千コリ、織布は同60万ヤード(約55万㍍)、加工が同65万㍍。加工は、生地の晒し、漂白を主体に稼働する。