「VIATT2025」/日本、ASEAN製前面に/日系メーカーが内販拡大へ
2025年03月04日 (火曜日)
【ホーチミン=岩下祐一】2月26~28日にベトナム・ホーチミン市で開かれた繊維総合展「ベトナム国際アパレルファブリックス&繊維関連技術専門見本市」(VIATT2025)で、日系メーカー出展者は日本、タイなどのASEAN地域で生産する付加価値品をアピールした。ベトナム内販の可能性を探るのが目的だ。
クラボウは、ベトナム法人とタイ法人の2社で共同出展し、タイの自社工場で生産するパンツ地を中心とした織物と、日本とベトナムの協力工場で生産するデニム地を訴求した。同社は伊藤忠グループと連携するなどし、複数の地場大手ブランドとの取り組みを拡大している。今回展では「ベトナムだけでなく、欧州や中南米のブランド関係者とも商談ができた」と、タイ・クラボウの西澤厚彦社長は手応えを示した。
東洋紡せんいは、日本とインドネシアの自社工場で生産する編み物の内販の可能性を見極めるため、初出展した。中肉の高密度編み地「スクラムテック」や、紫外線と近赤外線を遮断する編み地「レイブロック」などを訴求した。ベトナム法人、東洋紡ビンズンではユニフォーム縫製を手掛けているが、地場ブランドの台頭を商機と捉え、内販への参入を検討する。
村田機械は、渦流精紡機「ボルテックス」を前面に打ち出した。ベトナムでは現状、台湾、韓国、中国などの外資系工場がメイン顧客で、地場系は少ない。地場系の新規開拓を図るため、出展した。
東陽織物は、内販と第三国向けの輸出の可能性を探るため、カーテンなどインテリア向けの織物を出展した。同社は日本向けインテリアや、ユニフォーム・スポーツ用途の織物を地場の台湾系工場で生産する。昨年開かれた同展への出展を機に、内販と第三国向けの輸出の開拓に乗り出した。