東洋紡せんい ASEANで吸湿ポリわた生産へ
2025年02月28日 (金曜日)
東洋紡せんいのマテリアル事業部ライフマテリアルグループは、ASEANで吸湿ポリエステルわたの生産を2025年度中に目指す。得意とする改質技術を生かし、海外生産のコストメリットや現地供給能力を高めることで差別化する。
ASEANでの改質技術を生かしたモノ作りは、綿が先行する。ベトナムで協力工場を活用し、改質加工わた、紡績糸の生産体制を構築。25秋冬向けから綿を改質して吸湿発熱機能を高めた糸「ホットナチュレネオ」の量産に入る。寝装のブランケット向けなどの20番手糸の供給から始める。
ベトナムで26春夏向けからの改質レーヨンの量産も目指しており、吸湿性が高く、水分を蓄える改質レーヨン糸「リフレス」、わたを改質して消臭スピード・キャパシティーを高めた消臭レーヨン糸「アットデオ」を供給する。
ASEAN地域で、吸湿性の低いポリエステルを改質することで綿並みの吸湿率に高めたポリエステル短繊維「グレファージュ」の生産体制構築も進める。汗と蒸れ感を同時に処理することができ、寝具の中わた用途などへ訴求する。ポリエステルにない機能を付与することで、モノマテリアル化も後押しする。
撥水(はっすい)性を持たせた改質綿もASEANで生産する計画で取り組みを進める。
同グループの永野年哉マネージャーは、改質技術と海外生産をポイントに挙げ、「売るというより、売れる素材を出していく」としている。