「ザ・メーカーズ・アパレルショー」 注目企業 ③

2025年02月27日 (木曜日)

高付加価値を提案

 大手商社の顧客開拓へ

漾美(天津)紡織品(東京会場ブース番号A02)

 1995年創業の大手アパレル貿易会社。三つの出資工場で、レディースとカジュアルのフルアイテムを生産する。各工場の平均月産量は6万~10万着。OEM/ODM、自社ブランドの販売まで独自で行う生産(OBM)を展開する。強みは、川上から川下まで自社で一貫管理していることだ。

 売り上げの9割が輸出で、仕向け地別輸出額比率は日本、欧州が各半分。顧客は欧州のファストファッションや日本のレディースブランドなど。

 商社経由で手掛ける日本向けの業績はここ数年、安定成長が続いている。サステイナブル素材の提案を加速し、深耕していく考えだ。

 今回展では、秋冬向けのイージーケアやリサイクルが可能な生地使いなどをアピールし、大手商社の新規開拓を図る。

防水機能の婦人コート

山東省濰坊市進出口

(同D02)

 1992年に創業した貿易会社。アパレル製品は、レディース、子供服、寝間着が中心だ。全て輸出向けで、日本、欧州、中東向けが多い。輸出額全体の55%を日本向けが占める。

 日本向けは、直貿と商社経由の双方を手掛けている。近年は、大ロット生産のASEANシフトを受け、特に商社経由が苦戦している。

 生産は、山東省内の協力工場で、編み地製と織物製の双方を扱っている。アイテム別売上比率は、編み地性が40%、織物製が60%だ。

 今回展では、レディースのコートやTシャツを訴求する。コートは防水機能、Tシャツは冷感機能を持つことをアピールする。

「ボルテックス」糸のTシャツ

南昌市鈞垚服装(同A13)

 2020年に設立された貿易一貫の丸編みTシャツ専業メーカー。日本向けに特化している。月産能力は10万枚。迅速な対応と、価格競争力が高いことが強みと自負する。最終顧客は、子供服ブランドやスポーツ専門店、量販店など。

 直貿を中心に手掛け、売り上げを毎年、前年比2桁%で伸ばしている。中高級ゾーンのブランドの新規顧客を開拓することで、さらなる成長を図っていく。

 今回展では、村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」で生産する毛羽が少なく、抗ピリング性に優れた糸を使った製品や、製品洗い加工などの付加価値のある丸編み地製の子供服を出展する。

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 「ザ・メーカーズ・アパレルショー」は3月5、6日に東京国際フォーラムで、7日にシティプラザ大阪で開催。