日本紡績協会加盟企業/平均運転錘数が10万錘割る/前年比13・6%減
2025年02月26日 (水曜日)
日本紡績協会加盟企業の2024年の紡績糸生産は3万6947コリ(前年比13・6%減)、うち綿糸は2万6335コリ(17・2%減)だった。運転可能錘数は14万8千錘(16・4%減)。平均運転錘数は年間平均で8万6千錘(22・5%減)とついに10万錘を割り込んだ。
新型コロナウイルス禍前の19年に比べ糸生産は4割程度まで減少、運転可能錘数はほぼ半減した。運転可能錘数は22年2月に20万錘を割り込み、その後も漸減傾向が続く。24年12月末段階での運転可能錘数は昨年末よりも2万5千錘減少した。
平均運転率もついに60%台を割り込み、58・0%となった。中国の景気悪化から、サプライヤーがアジアへ安値の糸を放出しており、海外糸の価格が下落傾向にある。そのため、糸の需要家の多いタオル産地では海外糸に切り替えるケースが目立った。暖冬で秋冬物の作り込みを減らしている影響や、新型コロナウイルス禍明けの生産過剰の反動もありそうだ。
12月末の在庫高は5423コリ(前年同月比5・0%減)。全糸日産量は年間平均145コリ(前年比11・0%減)だった。
綿糸の生産高は21年に4万コリ台まで回復したが、22年後半には綿花高に加え、円安が進み、海外糸との競合にさらされたことで2万6千コリ台まで減少。24年も運転率の低下によって、一度も前年同月を上回った月がなかった。
その他の生産高では合繊糸が9683コリ(4・4%減)、スフ糸が927コリ(9・8%増)だった。
ユニチカが7日に開いた臨時株主総会で、9月に紡績子会社のユニチカテキスタイル(岡山県総社市)の生産休止を明らかにしており、今年の加盟企業の錘数はさらに減少するものとみられる。
24年の兼営織布の生産量は1462万8千平方メートル(28・3%減)だった。うち綿織物は139万7千平方メートル(22・4%増)と増えた一方で、合繊織物は1077万2千平方メートル(31・8%減)、スフ織物が245万9千平方メートル(29・4%減)となった。12月末段階での織機台数は年初から34台減り249台だった。
〈12月は3.1%減〉
日本紡績協会加盟企業の24年12月単月の紡績糸生産は3086コリ(前年同月比3・1%減)、うち綿糸は2127コリ(13・5%減)だった。兼営織布の生産量は116万3千平方メートル(22・3%減)で、うち合繊織物が92万2千平方メートル(19・9%減)、スフ織物が14万3千平方メートル(38・6%減)、綿織物が9万8千平方メートル(13・3%減)だった。