クラレ/現中計最終目標を上方修正/売上高9千億円に
2025年02月17日 (月曜日)
クラレは、現中期経営計画の最終となる2026年12月期の目標を上方修正した。24年12月期の売上高が過去最高を記録し、利益も高水準となるなど、順調に推移していることから当初目標を上回れると判断した。売上高は7500億円から9千億円に、営業利益は1千億円から1100億円に引き上げた。
現中計は、22年12月期を初年度とする5カ年の計画。外部環境が大きく変化する中で柔軟かつ機動的に対応し、前半3年間の売上高・利益目標を達成した。24年12月期は、売上高が過去最高の8268億円(前年同期比5・9%増)に到達し、営業利益も過去2番目となる850億円(12・7%増)に達した。
最終年度目標の上方修正について川原仁社長は「欧州や中国は景気低迷が続き、数量面は弱含む」とし、「価格転嫁と差別化品へのシフトで利益を引き上げる」とした。価格転嫁と構成改善で680億円の営業利益増加を見込む。数量や原燃料・為替などで580億円減少を見込み、差し引き100億円の上方修正となった。
設備投資(投資決定ベース)も増やす。当初は中計の5年間で3800億円を計画していたが、5千億円に拡大し、25年度以降の成長投資では歯科材料(有機)の増設、欧米での再生活性炭新設・増設、ポリアミド系エンジニアリング・プラスチックの増設などを計画している。安全対策への投資も実施する。
繊維とトレーディングの業績目標も修正した。繊維は、売上高を700億円(修正前650億円)に修正し、営業利益は当初目標の70億円に据え置いた。不採算事業の収益改善を図ると同時に、高付加価値品へのシフトを進める。トレーディングは、売上高750億円(700億円)、営業利益70億円(60億円)に修正した。