ユニチカ 紡績子会社9月に休止
2025年02月12日 (水曜日)
ユニチカは2025年9月で紡績子会社、ユニチカテキスタイル(岡山県総社市)の生産を休止する。7日、大阪市内で開いた臨時株主総会および普通株主による種類株主総会での株主質問で明らかにした。
同社は昨年11月28日に地域経済活性化支援機構(以下、機構)の再生支援を受け、不採算事業(衣料繊維、不織布、一部を除く産業繊維)からの撤退を発表。撤退事業は今年8月までに譲渡先を探し、売却先が見つからなければ事業終息となるが、生産は26年9月まで行うとしていた。
ユニチカテキスタイルの生産休止はその前倒しに当たる。ユニチカテキスタイルは1999年、ユニチカの天然繊維事業を分離独立する形で設立。現在は紡績糸の生産のみを行う。ホームページによると、ユニチカテキスタイルは綿精紡機26台(1万7568錘)、2¥文字(U+3305)精紡機1台(408錘)など各種紡績設備を持つ。
臨時株主総会では定款変更、第三者割当によるC種種類株式の発行、資本金の1億円への減資、資本準備金の減額、新取締役・監査役の選任など全ての議案が承認された。
冒頭、あいさつしたユニチカの上埜修司社長は機構の支援決定後「株主の皆さまにはご心配をお掛けし申し訳ありません」と陳謝する一方、「これまでの構造改革では抜本的な改善に至らず、昨今は新たな課題に直面し資金不足に陥っていた。不採算事業を残せば成長を見込む高分子事業への投資も遅れる」などと事業再生計画について改めて説明。同計画を実行することで、29年度(30年度3月期)には連結売上高約700億円、営業利益約65億円を目指すとともに「営業利益率10%を視野に売り上げ規模の拡大を図る」と強調した。
出席した49人(取締役7人を除く)の株主からはさまざまな質問があった。その一つ、撤退事業の従業員の処遇は「譲渡先を見つけ引き受けてもらうのが最優先だが、かなわなければグループ内の再配置のほか、外部企業への出向などで雇用を維持する」と話した。
また、成長が見込める高分子事業に投資を行うと表明するも、23年度実績に比べて29年度の高分子事業の売上高目標が減っている点が株主から指摘されたが「インドネシア子会社の汎用ナイロンフィルム設備の休止に伴うものであり、高付加価値品で利益率を高める」と説明した。