帝人など/燃料電池発電機の実験/厳冬期の避難所想定
2025年02月06日 (木曜日)
帝人と日本赤十字看護大学付属災害救護研究所は、北海道北見市で厳冬期の災害における避難所での使用を想定した燃料電池発電機の有効性を確認する実証実験を国内で初めて実施した。1月18、19日に行い、一定の条件下で燃料電池発電機が有効に活用できることを確認した。
厳冬期の健康な避難所生活にはトイレ、キッチン、ベッド、ウオーム(暖房)を満たすことが必要な要素とされる。それには長時間の停電に備えた非常用電源の確保が不可欠だが、ガソリン発電機などは騒音や臭いの問題に加え、排出される一酸化炭素による中毒のリスクもある。
今回の実験は、帝人が開発した燃料電池発電である燃料電池ユニット、同ユニットに水素を供給する圧力容器ユニットを使用した。圧力容器ユニットには、帝人エンジニアリングの複合材料容器を搭載。しかおい水素ファーム(北海道鹿追町)が家畜のふん尿由来のバイオガスから製造した水素を使った。
燃料発電機は安定して電気機器への給電を継続し、照明機器や防災トイレ、暖房設備は問題なく稼働した。電気ポットへの給電場所での運転音は60~65デシベルで、演習参加者からは不快感が少ないとの声が上がったが、就寝時などの静粛な環境が求められるシーンでは改善の余地があるとの指摘もあった。