東洋紡エムシー/改善活動から商品開発/ハイビックスなどと共同で
2025年02月03日 (月曜日)
東洋紡エムシーは、ハイビックス(岐阜県瑞穂市)、芦森工業と共同で原料の化学反応を促進させる反応缶内に設置する「反応缶用足場ハイボード」を開発した。東洋紡エムシーの高砂工場(兵庫県高砂市)での改善活動から商品のアイデアが生まれた。
反応缶は銘柄切り替えのたびに作業者が缶内に入って内部を洗浄する必要がある。通常、はしごに登った状態で洗浄作業を行っており転倒の危険性が指摘されていた。また、反応缶内部は傷つきやすいガラスコーティングが施されているため、缶内を目視や触診で点検する必要があり、この作業でもはしごを使用する。
これに対して東洋紡エムシー高砂工場のケミカル製造ユニットのメンバーが改善活動を通じて空気で膨らます器具を使うアイデアを溶着製品メーカーのハイビックスに相談し、開発・製品化に成功した。2023年には東洋紡エムシーとハイビックス、販売元の芦森工業と共同で特許も出願した。
ハイボードは、立体織物の表面をポリ塩化ビニル(PVC)樹脂でコーティングして空気を充填(じゅうてん)したもの。反応缶用足場ハイボードは反応缶底部の攪拌(かくはん)翼の上に設置する環状ハイボードと積層する扁平(へんぺい)ハイボードで構成する。作業員は積層した扁平ハイボードに乗って作業する。
はしごを使用しないことで作業の安全性と効率が高まるほか、金属部品を使っていないため缶内のガラスコーティングを傷つける危険性が低減する。加工性が高いため反応缶のさまざまな形状に対応できる。