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東レ/医薬品製造向け分離膜開発/ろ過性能が倍以上に

2025年01月28日 (火曜日)

 東レは、バイオ医薬の製造工程に用いるための高効率分離膜モジュールを開発した。目詰まりを低減することで従来製品と比較してろ過性能が2倍以上に高まった。バイオ医薬品の収率90%以上と精製度向上が期待できる。2025年度中に販売を始める。

 複数種類の不織布を用いた粗ろ過膜(デプスフィルター)と中空糸を用いた限外ろ過膜の2段階からなる。粗ろ過膜の開発では、エアフィルター製品の開発で培った技術を活用し、不純物を取り除くのに最適な繊維の太さや空隙構造の不織布にすることで遺伝子治療薬の透過性能と不純物の除去性能を高めた。

 遺伝子治療薬以外のバイオ医薬品製造工程にも適用可能であり、医薬品メーカーなどの顧客ニーズを解決するべく、幅広い用途への展開を目指す。特定顧客へのサンプル出荷は23年度に開始し、高い評価を得ている。「将来はライフサイエンス事業の柱の一つに育てたい」とした。

 29~31日に東京ビッグサイトで開催される国際ナノテクノロジー総合展・技術会議「nano tech2025」で展示する。