帝人グループ/北陸との取引額は280億円に/産地企業との協業推進
2025年01月28日 (火曜日)
帝人の内川哲茂代表取締役社長執行役員CEOと、帝人フロンティアの平田恭成代表取締役社長執行役員は24日に金沢市内で会見し、事業の幅出しや新規市場の創出に向けて北陸企業との協業を強化する考えを示した。
内川社長は北陸との取り組みについて、帝人グループの研究開発力と産地企業の技術を掛け合わせた開発をポイントに挙げる。成功事例である福井経編興業、大阪医科薬科大学との連携で事業化した心・血管修復パッチ「シンフォリウム」のほかにもさまざまな分野で可能性があるとみて、「われわれが持つ事業、機能を使って連携していきたい」とした。開発だけでなく、人手不足など産地の課題に対しても「帝人グループが持つエンジニアリングや自動化のノウハウを生かした協力」などさまざまな面で連携を強めていく。
帝人フロンティアを中核とする繊維・製品事業での北陸との取引額は、前年度(2024年3月期)の270億円から、今年度(25年3月期)は280億円になる見通し。過去最高水準だった19年度に戻す形で、来年度も280億円を目指す。「量から質への転換」を重視して産地との連携による開発に注力するほか、産業資材では自動車内装材や機能性カーテン、重布などの拡大に注力する。
繊維・製品事業全体では25年、技術力や総合力を磨いて拡大を目指す。衣料繊維ではスポーツ・アウトドアを中心とするグローバルアパレル向けの素材開発や営業強化を図るとともに、サプライチェーンの安定化や地産地消の推進のためにASEANでの生産拠点拡充を進める。中国に続いて、ASEANやインドでのテキスタイル・衣料品の拡販にも注力する。
産業資材ではモビリティー分野とインフラ分野に注力する。モビリティーでは、グループ各社の安定稼働とともにリサイクルポリエステル技術を活用した環境配慮型の提案に力を入れる。インフラ分野では高速道路向けの補強材や、水処理フィルター向けポリエステル短繊維の供給力強化などに取り組む。