伊藤忠 岡藤CEO/「繊維は駄目な産業じゃない」とエール
2025年01月27日 (月曜日)
伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOは24日、大阪市内で会見し、「繊維業界はもう駄目だという指摘もあるが、そんなことはない。優秀な人材や技術力もあり、やりようによってはもっと稼げるはず」と日本の繊維産業全体と自社繊維事業にエールを送った。
そのために必要なこととして、さらなる効率化やマーケティング・マーケットインの重要性を説く。効率化については、コストの抑制と外部人材の活用が有効だとし、マーケティング・マーケットインについては時代や価値観の変化に迅速に対応するために「より消費者に近いところで商売をしなくてはいけない」と強調した。また「客を選ぶことも必要」として、そのためには「顧客を上回る何かを身に付けなければいけない」と指摘した。
自身の経験や社内人事を見渡した際に「繊維で鍛えられた人は他の事業でも成功しているケースが多い」と繊維業界では商売の基本である「良いものを安く作って売る」が実践されており、その経験が他業界でも生きていると話した。
自社の繊維カンパニーの今後については、無理や無茶をせずとももっと利益を引き上げることは可能と指摘した上で、デサントの完全子会社化のような積極投資を今後も続けていくとした。