東レ・機能製品事業部 サービスを成長分野に
2025年01月23日 (木曜日)
東レの機能製品事業部は、接客や飲食などのサービスユニフォームを成長分野の一つに設定する。事業部全体における同分野の販売はまだ少ないが、訪日外国人客数の増加もあって今後の成長の余地は大きいとみる。他社との競争激化も予想されるが、素材力で差別化を図る。
サービスユニフォーム分野は、訪日外国人客数増加の恩恵を受ける。飲食関連向けのユニフォームは成長率鈍化の指摘もあるが、ホテル・宿泊施設などの接客関連は堅調な動きを継続する。機能製品事業部の2024年度(25年3月期)のサービスユニフォーム向けの販売も前年を上回る水準で推移している。
25年度以降も現在の流れが続くとみるが、「多くの企業が接客サービスに目を向け競争は激しくなる」とし、差別化素材の打ち出しで存在感の発揮を狙う。重点素材の一つが、軽量感やストレッチ性などの特徴を持つ「ライトフィックス」だ。中でも軽量感が評価され、前年販売を上回る勢いを見せる。
ライトフィックスは、独自の高捲縮(けんしゅく)糸を用いて伸縮性など付与した素材。16年に販売を開始し、サービスだけでなく、用途・分野を越えて浸透している。同素材の上位ブランドである「ライトフィックスD」も開発。ライトフィックスの高ストレッチ性を維持しながら軽量性や物性を付与した。
サービスユニフォームは、継続成長が見込まれるが、飲食関連のユニフォームは価格抑制要求も強まる気配がある。事業部では国内だけでなく、海外拠点の生地を活用するほか、グループ会社との連携による縫製品までの一貫生産も強化する。接客関連は国内の高付加価値素材を積極提案する。
25年度のサービスユニフォーム向けの販売は、24年度を上回る数字を目指す。以降も継続的な成長を図るが、「国内でコストアップが続いている一方で、安価な中国品も流入している。価格差は広がる傾向にあり、そのギャップを埋めるためにも素材の価値向上などが重要になる」との考えを示した。