ごえんぼう

2025年01月15日 (水曜日)

 今年1年の平穏を願って多くの参拝者でにぎわった寺社の初詣。国内神社の代表格に位置付けられる伊勢神宮には、正月三が日で前年より1割ほど多い41万人余りが参拝した▼伊勢神宮では、式年遷宮という原則20年ごとの行事がある。内宮と外宮、別宮の社殿などを造り替え、神様に新殿に移ってもらうものだ▼20年に1度という頻度は経済合理性から言えば非効率と言える。しかし、約1300年前から脈々と続いてきた。その理由には諸説あるが、その一つに宮大工などの技術継承説がある。次世代へ技術を継承していくのに、20年という期間が合理的だったとの見方がある。20年のスパンにすることで、3世代間での技術継承が可能になる▼繊維業界でも、モノ作りを支える技術やノウハウの継承が課題に挙がる。目の前のことに追われる中で難しさもあるが、少し長い物差しで考えて取り組んでみることも有効かもしれない。