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豊島 浜松支店 国内・遠州生地販売で活路

2025年01月14日 (火曜日)

 豊島の浜松支店(浜松市)は国内産地のモノ作りの特徴を生かした生地販売拠点として機能を果たし、国内だけでなく海外向けにも販路を広げる。電子商取引(EC)で生地や副資材などを販売する「テキスタイルネット」(https://www.textile-net.jp/)の運営でも、顧客が使いやすいよう改善を重ねる。

 豊島は浜松市にも拠点を置き、遠州産地企業と協業を続ける。綿糸を高密度に製織した生地や麻の織物を中心に生地販売事業を展開する。遠州産地もコスト高や人手不足といった問題を抱えるが、地元の染色整理業や織布工場、産元、生地商との結び付きを強みに生かしている。

 特に海外向けの販売が伸びており、遠州ならではの特徴を生かした生地が販売先の支持を集める。麻製の織物に特殊な加工を施して風合いを改良した生地や、遠州ならではの天候を生かして生地を天日干しした「サンエアリー」が人気を博す。サンエアリーは高密度に製織した綿の織物に粗野な表情を表面に形成することで差別化ができている。

 テキスタイルネットはこのほど仕様を刷新したばかり。顧客が使いやすいサイトとして機能が向上した。豊島と国内の生地販売企業の約20社が手掛ける生地・副資材・型紙などおよそ6千品種の商材を販売する。営業企画室の支援のもと、数万件にのぼるユーザー数の詳細なニーズに応えるるため販売動向などの分析に時間をかけた。

 その結果、顧客の属性ごとに最適な提案ができる仕組みが必要との課題が明確化。用途や種類に合わせて適品を検索しやすい仕様に変更した。今後は顧客の属性に合わせた“旬の生地”を提供できるように、新商品の掲載にも注力していく。

 同支店が手掛ける生地備蓄販売「HTシリーズ」の訴求も強化する。定番的な綿混織物を中心とした生地は資材やユニフォーム向けに販売が堅調。難燃素材「Agunino」(アグニノ)や、伸縮性や撥水(はっすい)機能などを持つ「ef」(イフ)などの販売も好調だ。

 十部浜松支店の湯田章一郎部長は「顧客のニーズに合わせた生地販売を、さまざまな手法でかなえたい」と話す。