東洋紡せんい 正装感のあるシャツ開発
2025年01月14日 (火曜日)
東洋紡せんいは速乾性やノーアイロン、耐久性に優れた「ToV(トーブ)シャツ」の販売に乗り出す。中東向け民族衣装用生地の技術から着想し開発したもので、すっきりした襟元や美しいシルエットによって正装感を持ったシャツに仕上げた。
学生服やビジネスシャツ向けに販路開拓を進める。
学生服向けのシャツではトリコット地の需要が増えている。ノーアイロンに優れる一方で、ドレープ性によって見栄えがあまり良くないという声を受けていた。そこで中東向けの輸出生地の技術を生かし、織り密度や樹脂など細かく調整し、ポリエステル100%でありながらも「かなり着心地が良い」生地に仕上げた。
速乾性があり、乾燥スピードはポリエステル65%・綿35%のブロード生地を使った従来品の1・6倍、ポリエステル100%のニット生地の1・8倍向上。洗濯後のシワの残り具合を表すW&W性(ウオッシュ&ウエア性)は1回洗濯後で3・8級、10回洗濯後で3・5級を維持。耐久性は従来品に比べ約1・4倍あると言う。
正装感を持ったシャツに仕上がり、価格帯から制服モデルチェンジに合わせて高校向けを中心に市場を深耕。ビジネスシャツでも提案する。
学生服地では他にも高通気で防透け性が高い「サマークール涼夏」を進化させ、より通気性を高めた「サマークール風夏」を開発した。糸や編み構造を工夫することで、ストレッチ感とハリコシ感を両立。はためき性に優れた生地の構造とすることで、風の力で衣服内にこもった熱を外へ逃す。薄い生地でも体のラインが見えにくい効果もある。
携帯性に優れたポケッタブルカーディガンや、ダブルフェースの丸編み地を使い洗濯後の乾きが早く毛玉ができにくい「NEOセーター」といった製品提案にも力を入れる。