フェムケア製品販売企業/女性アスリートの意見活用/機能性へのニーズ吸い上げる
2025年01月10日 (金曜日)
社会でフェムケアの意識が高まる中、企業に福利厚生の一環としてフェムケア製品を購入するよう働き掛けるビジネスの事例も増えている。その範囲はスポーツの現場にも広がり、フェムケアの社会的定着に向けた動きも進む。(強田裕史)
wagamama(東京都渋谷区)は、元女子サッカー選手の内山穂南、下山田志帆両氏が2019年に創業した。自身の現役時代の経験と、現役選手らの意見を反映させて開発したスポーツ用アンダーウエアのブランド「オプト」を販売している。第1弾製品のメンズボクサーパンツ型の吸水ショーツは、554人の選手の声を生かした。
並行して、企業や学校を対象に女性のスポーツ選手に向けたコンディションニングに関するセミナーを開いている。
スポーツ用品大手のモルテン(広島市)と、選手の生理に関する調査を共同で行うなど、情報の収集と発信にも力を注ぐ。
カフカ(名古屋市中村区)は、婦人服や子供服を手掛けるOEM/ODM企業だが、22年から独自の機能性インナーショーツ「アンジェライト」の販売も行っている。
小学校から性教育の授業の依頼を受けるなど、フェムケアの啓発にも取り組む。このほど、女性向けスポーツウェブメディアを運営するLink Sports(東京都渋谷区)と「柔道女子応援企画」を実施した。
同企画は中学生から社会人までの柔道選手を対象に、アンジェライトのサニタリースパッツを提供し、実際に使用した感想を聞く。柔道選手が抱える生理についての悩みを、製品開発担当者がチームと共有する。
企画に参加した首都圏の企業や学校の柔道部には、アンケートに協力してもらった。結果、87%の選手が運動中に経血漏れを経験していることが分かり、機能性に対するニーズが浮かび上がった。
豊島は、女性社員が中心になって立ち上げたフェムテック・フェムケアブランド「ホガラ」を通じ、フェムケアの普及を促す取り組みを行っている。働く女性の声を反映させた商品を提案しながら、女性の活動を支援するBtoB向けの協業プロジェクトを推進する。
24年には、プレステージ・インターナショナル(東京都千代田区)が運営する女子スポーツチーム「アランマーレ」への協賛を通じたプログラムを実施した。アランマーレは東北や北陸地方でバスケットボール、バレーボール、ハンドボールの3競技で活動している。
プログラムでは3チームの選手を対象に、福利厚生としてフェムケア関連製品導入を目指す取り組みについての勉強会を開き、フェムケアについて考える機会を提供した。