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瀧定名古屋の中国法人/内販加速へ今年は個展倍増/24年業績ほぼ横ばい

2025年01月09日 (木曜日)

 【上海支局】瀧定名古屋の中国法人、瀧定紡織品〈上海〉は2025年、主力の生地の中国内販を加速する。そのため、昨年の倍以上の数の個展を中国全土で開く。24年は、業績が前年に比べ、微減収、微減益にとどまったものの、今後の飛躍に向け、体制の強化を図った。

 24年は生地内販が6月まで堅調だったが、下半期に入り、販売が落ち込み、特に11、12月が芳しくなかった。ただし足元は「ネット通販ブランドや広州エリアでの新規開拓が進むなど、明るい材料がある。これからに期待している」と、黒田剛臣総経理は話す。

 先月には、上海市内のオフィスを新築のオフィスビルに移転し、そこに生地の大型常設展示場を併設した。瀧定名古屋グループの全ての日本製備蓄品を展示し、それらを使った製品を豊富に取りそろえ、顧客から好評を得ている。

 取り扱い商材も充実している。内販のアイテムは、日本製がメインだが、日本本社と一緒に開発する中国製備蓄品の販売を今後強化していく方針を採る。その関連で、東レが中国などの外注工場で生産する生地ブランド「EVOTRUTH」(エボトゥルース)の取り扱いを、24年8月末に始めた。「販売の成果はこれからだが、社内での反響が良い。現場がエボトゥルースの販売にやる気になっている」(黒田総経理)と言う。

 さらに、日本や欧米向け製品の生産サポート事業との連携を強化した。生産サポート部門が取り扱う生地の情報を、生地内販部門と共有する形に変えた。これにより、生地内販部門が生産サポート部門から得た情報を、日々の営業活動に生かせるようになった。

 生地の個展はこれまで、上海、北京、深セン、杭州の4都市で開いてきたが、24年は成都、広州、青島を新たに加えた。中でも広州展が盛況だった。深セン拠点から広州の顧客をカバーしてきた成果とみられる。

 25年も個展に注力する。厦門など新規都市も含め、中国全土の都市で昨年に比べて倍以上の数の個展を開いていく。